2018年05月21日

「飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生」杉坂圭介

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大阪の飛田新地で遊郭を経営していた著者。
現在は店の名義を知人に譲ってスカウトマンをしておられるそうです。
前著「飛田で生きる 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白」ではそんな経営者時代の話を書いておられました。
店を始めるには、女の子はどうやって集めるのか、収入は、経営の実態は、など。
今回は実際に自分の店で働いていた女の子にスポットを当て、飛田で働く女の子たちの実情を紹介しておられます。
いろんな女性がおり、いろんな事情を抱えています。
やはり女性を使うのは難しいですね。(笑)
新しい女の子が入ってきたせいで自分の売り上げが落ちたら、その嫉妬の凄まじいこと。
それまで自分がエースだったというプライドもあるでしょうし、ストレートに収入に響きますからね。
修羅場になったりもするようです。
女の子たちをうまくコントロールしつつ、急に飛んでしまう(辞めてしまう)子の代わりを必死に補充しつつ、店の売り上げは乱高下。
そんな仕事を10年もやってこられたのですから、まさにお疲れ様です。
最近の飛田ですが、全体の売り上げも下降し、だんだんと寂れつつあるようです。
世間体が悪いだのと反対する人たちがいますし、他の風俗に客が流れているというのもあります。
確かに飛田はコスパはよくありません。(笑)
15分で11000円くらいですか。
でも正味の時間はその半分くらいということで、女の子によってはタッチもなしなんですから客にとってこんなアホな話はない。
同じ値段で60分のホテヘルに行けます。
ただ女の子からすれば15分でその半分ほどを手取りとしてもらえるわけで、時間単価にすると非常に割がいい。
60分のコースだと手取りで20000円です。
エースともなるとロングやショートのコースも含めてですが、1日30本上げるというのですからたいしたものです。
ですが最近はシャワーあり本番なしのデリヘル・ホテヘルに女の子が集まっているようで。(飛田はシャワーなし、本番あり)
飛田も正念場です。
でもこの独特な街は存続してもらいたいと私は思うのですけどね。
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2018年05月19日

「初恋ノスタルジア」小日向江麻

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結城梓は29歳の高校美術教師。
小学校1年生のとき、家が隣同士で幼馴染みのクラスメイトこうちゃんが初恋の相手です。
しかし中学生になると一緒に帰ったりを冷やかされたりして、2人の中はだんだんとギクシャクしていきます。
高校は別々の学校に進学。
そんな折、父親の転勤で梓は急遽引っ越さなければならなくなります。
いっそこの機会にこうちゃんに告白しようか。
そうは思ったものの、ギクシャクした当時の関係もあり、いなくなる相手から告白されても迷惑なんじゃないかと考えた梓は、こうちゃんに黙って引っ越してしまいます。
それから約10年。
梓の務める学校に数学教師としてこうちゃんが転任してきます。
再会に喜んだ梓ですが、こうちゃんこと山内孝佑は梓を冷ややかな目で見て無視します。
その後も会議のたびに対立し梓の神経を逆なでするのです。
いったいこうちゃんはどうしてしまったのか・・・・。
エタニティによくあるオフィスラブではなく、学校が舞台というのは目新しく感じました。
当然話はハッピーエンドとなるわけですが、そこに至るまでの話はライバルありーの勘違いありーのと定番のコースです。
しかしさほどコテコテ感を感じることなく読むことができました。
ツッコミを入れて茶化すような箇所も特にありません。(笑)
作者の上手さでしょうか。
エピローグ的に添えられている「未来からのラブレター」もほんわかじわりと沁み入りました。
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2018年05月17日

「きらめくジャンクフード」野中柊

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作家によるジャンクフードを題材にした食エッセイ。
ですが、必ずしも一般的にいわれているジャンクフードだけではありません。
著者もあとがきで書いておられますけども、「これもジャンクフード?」と首をかしげる人もいるだろうと。
例えば、トムヤムクン、おにぎり、たまご焼き、おせち料理・・・・。
たしかにそれらをジャンクフードというのはどうなのよと。
おせち料理なんか特に。
でも著者がこの本でいうジャンクフードとは、色とりどりの雑多な楽しいもの、といったイメージとのこと。
まあ楽しいということでいえば堅苦しい料理よりもこの本で取り上げられているような食べ物ということになるでしょうね。
アイスクリーム、サンドイッチ、クラムチャウダー、オムライス、コロッケ、シーザーサラダ、かき氷、おでん・・・・。
身近な食べ物ばかりです。
そして誰もがそれぞれにエピソードや思い出を持っているような。
美食の本もいいですが、やはりこのようなのが普段着感覚で馴染めます。
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2018年05月15日

「ロリータ」ナボコフ

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下宿先の娘で12歳の少女ロリータに恋した30代のハンバート。
ハンバート曰く、ロリータは自分より何倍も歳上の男性に悪魔的な魅力をみせる“ニンフェット”です。
そんなロリータの気を引き関係を結ぶため、ハンバートはいろんな行動を取ります・・・・。
ロリータというと『ロリータ・コンプレックス』、いわゆるロリコンの語源です。
いい歳したオッサンが少女に恋し心も体を求めるという話で、それだけを聞くとポルノ小説かと思われがちですが、そのような生々しい描写はまったくといっていいほどありません。
しかし発表当時は発禁になったりもしたようですが、直接的な描写はないにしてもそれはやはり道徳的な問題によるものだったんでしょうね。
現在ではれっきとしたアメリカの古典文学として認識されているようです。
しかし私は正直退屈でしたね。
細かい文字で改行も少なくびっしりと460ページ。
疲れました。(笑)
ここまで長々と書く必要があるのかと。
作者は出版される前に4つの出版社に原稿を持ち込んで断られたようですが、その評価というのが読んでいて辟易するだの長すぎるだの話を変えろだの、いろいろとあったようです。
もちろん道徳的な嫌悪感も含めて。
それについて作者はあとがきで批判しておられますが、まあ一般的な感想としては妥当なものだと私は思いました。
同じように感じた私はまだまだ修行不足なんでしょう。(笑)
ラベル:海外小説
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2018年05月13日

「おそめ 伝説の銀座マダム」石井妙子

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昭和23年。
京都の木屋町にバーが開店します。
店名は「おそめ」。
マダムの名は上羽秀。
祇園の元芸妓です。
人を惹きつける天性の魅力を持った秀の「おそめ」は、作家、作曲家、映画監督、ジャーナリスト、様々な著名人の客にかわいがられ大繁盛します。
その噂は東京銀座にも聞こえるほど。
そして昭和30年。
いよいよ銀座に進出です。
銀座のマダムたちの激しい嫉妬を買いながらも、「おそめ」は瞬く間に頂点に駆け上がります。
京都と東京を飛行機で行き来し、『空飛ぶマダム』と呼ばれ時の人となった「おそめ」こと上羽秀。
小説のモデルにもなりました。
そんな秀とはどのような人物だったのか・・・・。
伝説の店といいますか伝説の女性といいますか。
常連客にずらずらと時代の著名人たちの名前が出てきます。
川端康成、大佛次郎、吉川英治、服部良一、小野安二郎、白洲次郎・・・・。
作家らが今よりもずっと存在感のあった時代です。
それらの著名人たちに愛されたわけですが、しかし秀は計算してそれらの客を常連としたわけではないんですね。
むしろまったく計算などできない人。
ほんとに天性の魅力だけで男たちを惹きつけたようです。
天真爛漫で商売気がないといいますか、着るものも地味だったようですし、現代の銀座マダムとはまったく正反対のような人ですね。
そしてただ一人の男を愛し続けた健気さもありました。
文壇や昔ながらの銀座のバーは「おそめ」と共に終焉したと著者は見ます。
そういう意味では夜の銀座や文壇の歴史を記した一冊ともいえますね。
著者の綿密な取材が成果を上げたいいノンフィクションでした。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする