2011年01月31日

1月の一冊

今月は8冊。

ちょっと少なかったですね。

最低10冊は読みたいと思っているのですが。

「妖」円地文子
「アマゾンのワニドナウの鯉 -世界まんぷく紀行-」服部公一
「押し出せ青春」須藤靖貴
「ナニワ女の商いの道 商売なめたらあかんで」平川好子
「不機嫌な果実」林真理子
「たかがカレーというなカレー」究極グルメ軒・編
「寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話」佐川芳枝
「蒼龍」山本一力

「妖」円地文子は短編集。

昭和三十年代に書かれたものですが、古臭さは感じませんでした。

女性の『性』を強く意識した内容です。

「押し出せ青春」須藤靖貴、珍しく大相撲を扱った青春小説。

楽しく読めました。

著者からコメントをいただいてびっくり。(笑)

「不機嫌な果実」林真理子、やはりこういう女の本音を書かせると上手いですね。

唯川恵よりももっとエグイ感じ。

この作家の作品は何冊か読んでますけど、今のところハズレはないような・・・・。

「蒼龍」山本一力、短編集。

どれも粒揃いです。

人情と男気を感じさせます。

やはり今月の一冊はダントツでこれですね。

「蒼龍」山本一力

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posted by たろちゃん at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月26日

「蒼龍」山本一力

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オール讀物新人賞受賞作「蒼龍」を含む短編集。

表題作の「蒼龍」ですが、珍しく一人称で書かれているので最初はちょっと戸惑いました。

この作者の作品は何冊か読んでいますが、一人称で書かれたのは初めてだったもので。

なんだか勝手が違うなぁと読み始めたのですが、さすがにそこは山本一力。

すぐその魅力に引き込まれていきましたね。

大きな借金を抱えた大工の弦太郎・おしの夫婦。

ある日弦太郎は瀬戸物屋の大店「岩間屋」にて、茶碗の新柄求むの貼り紙を見つけます。

これで借金を返してやろうとなけなしの金で岩間屋の白茶碗を買い、応募するのですが・・・・。

主人公の気風のいい江戸の町人言葉ががむしゃらさを上手く強調しています。

なんとかこれで借金を返済しようというそのがむしゃらさは、作者自身がモデルとなっているようですね。

二億円もの借金抱えて小説で身を立てようとした作者です。

ラストはもう少し形を付けて欲しい気がしました。

小説の出来としてはやはり他の収録作のほうがいい。

「菜の花かんざし」と「長い串」は町人を扱う作品が多い作者にして、武家を主人公に置いた作品です。

どちらもぐっとくるものがありましたねぇ。

五編収録されていますが、どれも粒揃いな作品です。

さすが山本一力。

シビれました。(笑)

posted by たろちゃん at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月22日

「寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話」佐川芳枝

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文庫本書き下ろし。

総理大臣とは誰のことなんでしょう。

そう、以前に「寿司屋のかみさんお客さま控帳」でも書いておられましたが、故・橋本龍太郎氏のことです。

この本では丸々一冊橋本氏とのエピソードが綴られています。

著者の元に届いた読者カード。

そこには橋本龍太郎、職業・内閣総理大臣と書いてあったのです。

最初は半信半疑だったのですが、購入先の書店に問い合わせてみると間違いなく橋本氏とのこと。

お礼の手紙を送ったところ、数ヶ月して橋本氏の秘書から予約の電話が入ります。

そこから当日までの物々しいエピソードは必読です。

それから何度も橋本氏はこの店を訪れます。

最後に店を訪れた日。

店を振り返り、「十年後の結婚記念日にも、こうして、ここに来られるといいなあ・・・・」

寂しげにつぶやいたそうです。

自分の最後をわかっておられたのでしょうか。

ちょっとした裏話や、テレビで観るだけではだけではわからない氏の気さくな人柄や子供っぽいところなど、微笑ましく書かれています。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 22:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月20日

「たかがカレーというなカレー」究極グルメ軒・編

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作家や評論家などの文化人たちがカレーについて書いたエッセイを集めてあります。

その人数三十七人。

食通として有名な方が何人もいらっしゃいます。

映画監督の山本嘉次郎氏、漫画家の東海林さだお氏、映画評論家の荻昌弘氏、作家の檀一雄氏など・・・・。

やはり昔の人はカレーに対してかなり思い入れをお持ちのようです。

当時はごちそうであったと。

肉なんて入っていようものなら・・・・。(笑)

カレーには福神漬けが付き物ですが、以前からなんで福神漬けなんだろうという疑問を持っていました。

加藤秀俊という社会学者のエッセイでそのことについて記述されています。

時期は定かではないようですが、日本遊船の一等食堂が始まりだとのこと。

東南アジアやインドに寄港しながら航海していた船のコックさんが、これらの国でカレーといっしょに出されるチャツネにヒントを得て、それにかわるべきものとして福神漬けを選んだのだろう、と。

なるほどなぁ。

その他皆さんのカレーにまつわる思い入れやいろんなエピソードが紹介されています。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月18日

「不機嫌な果実」林真理子

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水越麻也子は結婚六年目の三十二歳です。

気の合わない姑とは別居ですが、そんな姑からいまだに母親離れできない夫の航一にちょっと苛立ちを感じています。

そしてセックスレスについても。

あまり見た目ぱっとしないエリート弁護士の南田は、かつて麻也子に求婚したことのある男です。

そんな南田と結婚後も定期的に食事などしていたのですが、肉体関係はありません。

会うたびに南田は自分に惚れているという優越感を感じていたのですが、ある日南田は二十二歳の女性と婚約したことを打ち明けます。

ショックを受ける麻也子。

優位に立っていたはずの立場がひっくり返されてしまったのです。

エリート弁護士を自分よりもずっと若い女に取られて焦りを感じる麻也子。

ひょっとして自分はすごく損な人生を歩んでいるのではないかと疑問を持ちます。

それがきっかけでしょうか、麻也子は他の男を物色し始めます。

こんな美しい体に手を出さない夫が悪いのだと。

まずは社会人となったばかりのころ付き合っていた大手広告代理店に勤める野村です。

はじめは会って食事する程度の刺激を求めていただけだったのですが、やはり昔付き合っていた男と女。

肉体関係になるのにそう時間はかかりませんでした。

そしてあるきっかけで知り合った音楽評論家の通彦とも付き合いを始めます。

通彦に本気の感情を持ち始める麻也子。

通彦の激しい要求に夫の航一との離婚を決意するのですが・・・・。

さすが林真理子、存分に女(作者)の本音をぶちまけておられます。

いちばん女ざかりの時期に夫は相手してくれない。

しかし人妻だから貞淑は守らなければならない。

ではこの熟れた体と想いはどうすればいいのか・・・・。

事実そんな理由での人妻の不倫が増えていますよね。

というよりも日常茶飯事状態です。

そんな情勢を上手く取り上げられました。

愛人を見つけ、夫に離婚を迫る妻。

さて結果はどのようになるのでしょう。

もちろんそう虫のいい話にはなりません。

結局、麻也子の欲望は無限ループです。

男と女のあいだというのはやはり性欲なんでしょうね。

ロマンチックな恋愛論を語っても行き着くところは性欲。

それが心の餓えも満たすのでしょう。

不機嫌な果実が満たされることはあるのでしょうか・・・・。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 19:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 『は』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする