2011年02月28日

2月の一冊

先月に引き続き今月も8冊でした。

う~ん、いかんなぁ。(笑)

ま、他のことに色々と気を取られてるからなんですけどね。

さて、今月は以下の8冊。

「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん
「ニッポン居酒屋放浪記 望郷篇」太田和彦
「長崎ぶらぶら節」なかにし礼
「タケノコの丸かじり」東海林さだお
「渡辺文雄のくいしん坊旅行」渡辺文雄
「真鶴」川上弘美
「弁天山美家古 これが江戸前寿司」内田正
「さまよう刃」東野圭吾

「まほろ駅前多田便利軒」三浦しをん、直木賞受賞作としてはちょっと軽いかなという印象がありましたが、まずまず楽しめた作品です。

「ニッポン居酒屋放浪記 望郷篇」太田和彦、ぜひ取材の経費ではなく自腹のお金と時間で飲み歩いてください。(笑)

「長崎ぶらぶら節」なかにし礼、明治から昭和にかけて生きた芸者の物語。

けなげで純粋に生き抜いた愛八に心を打たれました。

「渡辺文雄のくいしん坊旅行」渡辺文雄、いやみのない内容で楽しく味わい深く読めました。

「真鶴」川上弘美、現実か非現実か、正常か異常か。

そんな境界線をゆらりゆらりとまたぐような小説。

「さまよう刃」東野圭吾、少年犯罪の裁き方に対して疑問を投げかけた作品。

500ページ弱のボリュームもなんのその、エンターテイメント小説の醍醐味を味わいました。

この中から今月の1冊となりますと・・・・。

やはりじっくりと一人の女性の生涯を読ませてくれた「長崎ぶらぶら節」なかにし礼になるでしょうか。

今月はこれで。

Cimg1619

posted by たろちゃん at 10:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月27日

「さまよう刃」東野圭吾

Cimg1627

妻を亡くした長峰重樹は高校生の娘絵摩と二人暮らし。

ある花火大会の日、友人と見物に出かけた絵摩は深夜になっても帰宅しません。

なにがあったのか。

長峰は警察に届けを出しますが、数日後近くの川に流れている絵摩の遺体が発見されます。

未成年の少年たちに犯され、殺されたのです。

何の罪もない娘が少年たちの性の玩具にされ命を奪われたのです。

生きがいを奪われた長峰は狂乱し、自らの手での復讐を誓います・・・・。

法律とは何か、少年法とはなんなのか、警察や裁判はいったい何を裁いているのか・・・・。

そんなテーマが流れています。

人の命を奪っておきながら少年法という法律で守られ、顔も公開されなければ名前も公開されない。

たった数年でまた世間に復帰してくる。

少年法というのは罪を裁くための法律ではなく、世間から犯罪者を守るための法律ではないのか。

誰もが感じたことのあるそんな疑問。

賛否両論あって難しい問題ですね。

この小説の主人公は自らの手で復讐するという手段を選ぶわけですが、現実にはなかなかできることではないでしょう。

さてどのような結末が待っているのかということですが・・・・。

カタルシスということではいまいちすっきりしませんでしたね。

これが西村寿行なんかだと痛快に晴らしてくれるんでしょうけど。(笑)

しかしじゅうぶん読み応えのある小説でした。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:52| Comment(0) | TrackBack(1) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月21日

「弁天山美家古 これが江戸前寿司」内田正

Cimg1625

著者は東京浅草にある「弁天山美家古寿司」の五代目。

寿司のこと全般について書かれています。

魚の選び方や仕込みの仕方、魚河岸の様子。

そして店でのいろんなエピソード。

寿司の歴史についても書いておられ、寿司についてのことが幅広く楽しく読めるようになっています。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 『う』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月19日

「真鶴」川上弘美

Cimg1624

主人公の京は40代。

12年前に夫の礼が失踪して、中学生の娘の百、そして母親との3人暮らしです。

礼は日記に「真鶴」という言葉を残していました。

京には現在青磁という妻子ある恋人がいるのですが、いまでも礼のことを引きずっています。

そんな京の雰囲気を青磁は敏感に感じ取っています。

憑かれたように何度も真鶴に通う京。

そこにはこの世の者ではない「ついてくる女」がいるのでした・・・・。

現実と妄想のあいだを彷徨っているような、つかみどころのない小説です。

ひらがなを多用したり抽象的な表現を散りばめたりといった文体が主人公の心理状態をあぶり出し、現実から物語を浮遊させているような印象も受けました。

「ついてくる女」がある意味主人公の代弁者でありガイド役とも言えます。

夫の礼はなぜ失踪したのか、現在はなにをしているのか。

生きているのか死んでいるのか。

答えは一切ありません。

視線はずっと主人公である京の心の中です。

「ついてくる女」も京の心が見ているものです。

ホラーな要素もあると言えば語弊があるでしょうか。

ひたすら精神不安定な主人公を描写した小説なんですよね。

読者は主人公の視線になりますから、そんなに異常とは思わない。

でも「ついてくるものがあった」という出だしてすでにホラーなわけです。(笑)

しかし夫に何の理由もなしに失踪され、青磁という恋人にも去られようとするそれはまさに現実なわけで、そこに幻想が加わるので上に書いたように「現実と妄想のあいだを彷徨っているような、つかみどころのない小説」となるわけですね。

いかにも川上弘美らしい作品だと思います。

ラストには光が差します。

曇天の隙間から陽が差し込むようなラストです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 『か』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月16日

「渡辺文雄のくいしん坊旅行」渡辺文雄

Cimg1623_2 

テレビの「くいしん坊!万才」の初代レポーターだった俳優・渡辺文雄氏。

食通としても知られた人でした。

5分間の番組では伝えられなかったことを本にしたとまえがきにあります。

読んでいて味わい深いのは、決して食べ物自慢でないところ。

あんな店行ったこんな物食べたというのを自慢げに語る人がよくいますが、そのような嫌味はありません。

ほんとに食べることがお好きなんだなぁということが伝わって来ますし、食べ物を通じて人との出会いが描かれているからこそなんでしょうね。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『わ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする