今月は11冊。
ようやくペースが戻ってきたようです。
でもペースなんて読む本にもよりますし、冊数を誇るのが目的でなし。
それよりも面白い本と出合うほうが大切であります。
今月のラインナップは以下の通り。
「鉄人の昼めし 達人の晩めし」藤生久夫
「逃亡日記」吾妻ひでお
「乳と卵」川上未映子
「続々 食べ物さん、ありがとう」先生=川島四郎 生徒=サトウサンペイ
「居酒屋兆治」山口瞳
「豊饒のナイル、ルクソールの食卓 エジプトグルメ紀行」吉村作治
「感情教育」中山可穂
「龍をみたか」三田誠広
「レストランの秘密」別冊宝島編集部 編
「吉原手引草」松井今朝子
「河童のタクアンかじり歩き」妹尾河童
「逃亡日記」はあまり露出しない(?)吾妻氏が頻繁に登場(写真)するので、ファンにとってはそれなりに貴重な一冊。
「乳と卵」、これに芥川賞を与えていいのかなぁという気はします。
大阪弁でかなり得していますね。
石原慎太郎氏の言い分にも一理あるかと。(笑)
「居酒屋兆治」、連作風ではなく、太い幹を一本すばっと通して長編で読みたいと思いました。
「感情教育」、さすがの中山可穂です。
でもこの熱さに白ける人もいるだろうなという気はします。
私は強く支持しますが。
「龍をみたか」、あまり資質ではないジャンルに手を出さないほうがいいと思いますが。(笑)
「吉原手引草」、吉原の世界を実に興味深く読むことができました。
ラストの謎明かし(葛城がなにをやったのか)は長く話を引っ張ったわりには・・・・の感がありますが。
それよりもそれぞれの語り手により、吉原という世界や葛城という花魁を浮かび上がらせるプロセスを楽しむべきなんでしょう。
今月の一冊ですが、やはりこれは「感情教育」中山可穂ですね。
頭ひとつ抜きん出ていました。