2011年03月07日

「乳と卵」川上未映子

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「ちちとたまご」ではなく「ちちとらん」と読みます。

卵を「らん」と読むとイメージされるのが卵子という言葉。

そう、これはまさしくおっぱいと卵子の話です。

東京に住む主人公のところに大阪から姉の巻子が娘の緑子を連れてやってきます。

巻子の目的は豊胸手術を受けるため。

緑子はまったく言葉を発せず、会話は筆談のみ。

巻子がやたら胸にこだわるように緑子は生理にこだわっています。

こだわるというか嫌悪しているんですね。

女性の象徴である乳に憧れを持つ母親、やはり女性の象徴である生理を嫌う娘。

対照的な組み合わせです。

主人公の一人称の文章と緑子の日記で交互に話が進みます。

乳や生理といったことでそれぞれが女性ということを否が応でも見つめなければならなかったり、母親と打ち解けたいけども打ち解けられないといったような娘のジレンマが描かれていたりという内容ですが、私にとってはこれはまあそんなに大した話ではないかと思います。

この小説のウリはやはり大阪弁を交えた、たたみかけるようなその文章でしょう。

句点が少なく読点でつないでいく文章は読んでいて息が苦しくなります。(笑)

しかしこれがなんとなくこの小説をユーモラスで味わい深いものにしているんですね。

併録されている「あなたたちの恋愛は瀕死」、短い話ですがこれがなかなか面白かったです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 11:30| Comment(1) | TrackBack(1) | 『か』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする