2011年04月27日

「家族の標本」柳美里

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柳美里初のエッセイ集。

ですが身辺の出来事や時事に関して書かれているわけではありません。

身辺の出来事といえばそうなのですが、ご自分の周りのさまざまな家族に絞って書かれています。

そのどれもが不幸を抱えてたりするんですね。

さすがは柳美里。

この人の書く小説の家族はすべて崩壊していますから。(笑)

読んでいて思いましたのが、これはすべて実話なんだろうかと。

ショートショートな純文学のフィクションとも思えます。

しかし最後の章に「この連載は実在する家族をモデルにしている」とあります。

私はそんな言葉を真に受けませんが。(笑)

また、編集者から「短編小説にできる素材を原稿用紙四枚のエッセイに毎週出してしまってもったいないといわれた」とあります。

たしかにそれぞれを膨らませれば、柳氏独特の小説に仕上がるでしょうね。

私がショートショートな純文学と感じたのはまさにそれです。

他人の家族を観察し書くことにより、柳氏の文学に対するテーマが鮮やかに浮かび上がっているエッセイではないでしょうか。

ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ゆ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする