著者は東京渋谷区松涛にある高級レストランのオーナーシェフです。
パリの「ラセール」や「トワグロ」(トロワグロ)などで修行し、帰国して自身の店をオープン。
フレンチレストランといえばホテル、それでもまだまだ本格的な素材を使っての料理を出すような時代ではありませんでした。
そんな中で閑静な住宅街に一軒家のレストランを構えたのです。
最初はお客さんが入らず店でスタッフとマージャンをやっていたといいますが、やがて口コミで噂が広がり、つねにコンプレな状態が続くようになりました。
のちに「クイーン・アリス」の石鍋裕氏や、「オテル・ド・ミクニ」の三國清三氏なども自身の店のオープン前に参考に訪れ、松尾氏からアドバイスをいただいたそうです。
やがてのちの皇太子殿下が訪れ、ご結婚前の雅子様も訪れ・・・・と、皇族や各界の一流人に愛される店となりました。
料理人を志したきっかけや修行時代のエピソード、自分の店を持つまでの苦労話、現在の成功までと、料理人本としてはまったく目新しい内容ではありません。
しかし小説ではなく実話ですから、やはりその内容には重みがあります。
ラベル:グルメ本