2011年05月08日

「ちゃらんぽらん男、居酒屋をつくる」田中秀嗣

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脱サラして飲み屋を始めることになった中年夫婦の奮闘記です。

きっかけは日本酒の美味しさに目覚めたこと。

日本酒に関しては2種類ありましょう。

大手メーカーの一般的な日本酒。

そして地方で生真面目に造られている本来の美味しさの日本酒。

著者は後者の日本酒と出会い、その美味しさに目覚め、漠然とそんな酒を出す店をやりたいと思います。

運よく(?)勤めておられた会社の支店閉鎖により、著者は会社を辞めその願望に向かって夫婦で突っ走ることになるわけですが。

そんな悪戦苦闘ぶりを描いておられます。

ちなみに店の名前は「酒肴さかなのさけ」。

場所は大阪の南船場です。

私も大阪の人間でして界隈はテリトリーですので、店については把握しておりました。

残念ながら訪問したことはなかったんですけどね。

といいますのは、現在この店は東京の六本木に移転しておられますもので。

この本はまだ店が南船場にあった頃に書かれたものなのですが、オープンまでの苦労話、もちろんオープンしてからの苦労話も書かれています。

なるほど素人がいきなり飲み屋の経営となりますと、いろいろご苦労がおありだったのですねぇ。

ただ気に入らないお客さんの話題については読んでいてちょっとどうかなと思ったりもしましたが。

ネタとしては面白いですけども。

今から読めばなんでやっとこさ苦労して開いた南船場から六本木に移転したのか。

南船場のオープンでは相当周りの人たちに支援してもらったいきさつが書かれていますもので。

なぜ東京なのか、そして東京でもちゃんと通用しているのだと。

そのあたりを書いた続編が出れば読みたいですね。

文章がちょっといちびり過ぎな気もしますけど。(笑)

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 19:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月04日

「裏ミシュラン」パスカル・レミ

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レストランの格付けガイドブック「ミシュランガイド」といえば、本場フランスではかなり権威のある本です。

数年前から東京版、関西版も出ており、話題になりましたが。

パリ版は機会があればチェックしますし何度か購入もしましたが、日本版にはまったく興味なし。

本屋で見かけても手にしたことさえありません。

日本版での星などなんの値打ちもないと思うからです。

それはともかくとしまして、本書の内容です。

著者はフランスの「ミシュランガイド」で16年間調査員を務めたという人物。

昔に比べるとかなりオープンにはなったようですが、それでもミシュランというのはまだまだ多くのベールに包まれた存在です。

そんなミシュランの内幕を暴露したのですから、あちらではかなりの物議をかもしたとのこと。

所詮は人の手によるものですから、厳格といえどもあいまいな部分は多々あります。

しかし料理人にとっては人生がかかっていたりするからやっかいです。

ある有名な三ツ星シェフなどは、二ツ星に降格が原因ともいわれる自殺をしています。

それほどまでにフランスにおいてミシュランの評価というのは、店の経営や料理人の人生を大きく左右するのです。

しかし著者はいいます。

「私は彼らにこう告げたい。批評を押しつけられ、盲目的にそれを受け入れる必要はないのだと。反対に、これを機会にガイドブックとの関係を深刻にとらえるのをやめ、調査員のためではなく自分の客のための料理を作ることに情熱を傾けたならどうだろう?」

まったくその通りだと思います。

ラベル:グルメ本
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2011年05月02日

「お江戸の若様 右京之介助太刀始末」高橋三千綱

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右京之介助太刀始末シリーズ第二作です。

しばらく江戸を離れていた右京之介が帰って来ます。

しかし道中ずっと何者かに後を付けられていました。

どうやら隠密を斬ってしまったため、刺客が右京之介を狙っているようなのです。

そこに抜け荷をやっている連中とのやりとりも絡んできて・・・・。

相変わらず右京之介のキャラがいい。

颯爽飄々としていて、いかにも高橋作品を思わせる主人公です。

昔からの作品もそうなのですが、どれも主人公は作者の高橋氏とイメージが重なるんですよね。

今回はついに右京之介の素性が明らかになります。

やはりただの素浪人ではなかった。

そしてこのシリーズの特徴として、SF的な設定があります。

右京之介になぜか『平成』時代の記憶があるというものです。

前作ではこのような設定は不要ではないかと思いそれは今も変わらないのですが、なるほど解説の勝目梓氏が指摘しておられるように右京之介の思想はこの時代のものではありません。

勝目氏は「小説的なリアリティを与えるためになされた作者の、大胆なSF的な工夫」と読みます。

なるほど。

今回は『昭和』の記憶があるという脇役も出てきます。

となりますとこのシリーズ、ますますその設定を生かした方向に持っていかなければなりますまい。

時代小説としてはどうしても軽い印象ではありますが、まあこれはこれでどのようになるのやら。

なんにせよ読んでいて面白いですしね。

次の「お江戸の用心棒」も楽しみに読ませていただきましょう。

ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする