2011年05月17日

「銀齢の果て」筒井康隆

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老人が増えすぎたため、政府は七十歳以上の老人に殺し合いをさせる「老人相互処刑制度」というのを制定しました。

限られた地区内で生き残れるのはただ一人。

主人公宇谷九一郎の住む宮脇町五丁目地区でもいよいよバトルが開始されます。

対象となる老人たちは元自衛隊員や小人プロレスラー、神父、元女優やその執事など一癖ありそうな連中がうじゃうじゃ。

はたして生き残るのは誰なのか・・・・。

最近は老いをテーマにした小説をよく手がけておられる作者ですが、そのひとつの到達点ともいえますね。

増えすぎた老人が邪魔になり、自ら殺し合いをさせるなんて。

スラプスティックな描写はいまだ健在で、さすがの筒井康隆です。

きんさんぎんさんという双子老姉妹の腹をかっ捌き、はみ出た腸から大量の大便が噴出するシーンや、神父の生殖器を切断し十字架に磔るなどブラックでグロなツツイズム。

捕鯨砲をぶっ放し空中を飛んでいく夫婦の描写など、電車の中にもかかわらず笑ってしまいました。

老人社会をシニカルに哀切に描いたこの作品、傑作であります。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする