2011年06月30日

6月の一冊

今月は13冊でした。

「美味の誘惑 世界の味と粋な人との出会い旅」福島敦子
「インシテミル」米澤穂信
「近くなった町」秋山ちえ子
「殿下の料理番 皇太子ご夫妻にお仕えして」渡辺誠
「猛禽の宴」楡周平
「少年とグルメ」赤瀬川原平
「しょっぱいドライブ」大道珠貴
「吉野家!」山中伊知郎
「大川わたり」山本一力
「お笑い 男の星座 芸能死闘編」浅草キッド
「食べちゃえ! 食べちゃお!」野中柊
「女たちのジハード」篠田節子
「男の隠れ家を持ってみた」北尾トロ

「インシテミル」、映画化されましたね。

暗鬼館がどのようなセットだったのか見てみたい。

小説としては・・・・じゃあこの件のあとどうなのよと。

現実社会に対してのフォローがなさすぎ。

ある意味少年マンガの世界ですね。

「近くなった町」、強く心に残る話ではありませんし、作者もそれを狙ってはいないでしょう。

さりげない男と女の話です。

「猛禽の宴」、シリーズ第三弾。

それなりには楽しめますけども作者の楡周平氏、どうも育ちのいい方のようで、品があるんですよね。

でもこのような作品にとってそれは決してプラスとは限りません。

精緻な描写もマニュアル的に感じたりします。

もうちょっと泥臭さがあってもいいのではないかと思ってしまいます。

「しょっぱいドライブ」、芥川賞受賞作。

ある意味上手い。

若い女性の無気力感、刹那感、それを目の当たりに突きつけてきます。

でも芥川賞がそれでいいの? と思うんですよね。

「大川わたり」、やはり山本一力ならではな作品。

後半の仕掛けが懲りすぎた感ありますが、人情の機微は実に上手い。

池波正太郎、藤沢周平亡きあと、時代小説はこの人でしょう。
(と、ほとんど時代小説を読んでいないのに決め付けてみる 笑)

「女たちのジハード」、働く女たちの社会での戦い。

唯川恵とか林真理子とかが書くようなテーマです。

ただスケールがそれらの人たちに比べてやや大きいかなと。
(それらの人たちの作品をすべて読んでいるわけではありません、ごめんなさい)

あくまで恋愛ではなく、あくまでステイタスでもなく。

それぞれの女性が選択した道はすごく爽快でした。

「男の隠れ家を持ってみた」、作品としては失敗作と断言しますが、ライターである著者にとっては貴重な通過点だったでしょう。

今回は「北尾トロ」ではなく本名での試みだったとのこと。

なら次回はまったくの別名でこれと対極のことをしてみるというのも読み物としては面白い。

安アパートなら胡散臭い左翼を演じてみるとか、高級マンションでマンガに出てきそうな金持ちを演じてみるとか。

それで住民や近所の人たちの反応を楽しむ。(笑)

そういう類に「いちど変装をしてみたかった」というのがありますけども。

さて、今月の一冊ですが。

「大川わたり」もよかったですけど、女性の奮闘を描いた「女たちのジハード」で。

これがまずまず読み応えありましたか。

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2011年06月28日

「男の隠れ家を持ってみた」北尾トロ

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自宅以外にも自分の居場所を持ちたいという願望のある人は多いんじゃないでしょうか。

あ、すでに家庭を持っておられる人たちについてですけど。

一人暮らしの独身者は現在の住居自体が自分だけの居場所ですからね。

親のスネかじっている人はそんな権利なし、論外。(笑)

家庭を持っている男としては、隠れ家のような部屋を持ってみたい。

妻帯者であり幼い子供もいる著者は現在の生活に漠然とした不安を抱え、知らない町で自分自身を見つめ直そうとアパートを借りることにしました。

自宅、仕事場、そして隠れ家であるアパートでの暮らし。

隠れ家を持つことによって、生活にどのような変化が訪れるのか・・・・。

これは某月刊誌の企画連載ですが、ライターとしてではなく著者のプライベートな行動でもあります。

なのでわざわざその部屋で何かをしでかそうというような展開はありません。

それはそれで著者にとって心の変化はあったようですが、企画物としては失敗作ですね。

飲み屋に通ったりもしておられますが、そんなのは別に部屋を借りなくても”通い”でもできるわけですし。

なんの展開もなくぼーっと時間だけが過ぎていく空間。

贅沢な話ではあります。

posted by たろちゃん at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月26日

「女たちのジハード」篠田節子

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保険会社に勤める年齢の違う五人の女性たちが主人公。

結婚や仕事についてシビアに考えていかなければならない年齢です。

そんな彼女たちがまだまだ男性優位な社会でどのように生き抜いていくのか。

いちばん年上の康子は自分の城を持つことに奮闘し、ヤクザとのトラブルにも立ち向かいながら中古のマンションを手に入れます。

美人のリサは男をとっかえひっかえ。

条件のいい男と結婚するため、いろいろと策略を巡らせます。

どんくさくて若さだけが取り柄の紀子は早々と結婚しますが、家庭のことがなにもできずに離婚されます。

関連会社に出向している既婚者のみどりはその子会社に飛ばされることになり、遠まわしに退職に追い込まれます。

英語の得意な沙織は翻訳家になろうと奮起。

やがてアメリカに留学するのですが・・・・。

仕事にしろ結婚にしろ、自分の限界というものをまざまざと見せ付けられ挫折する彼女たち。

しかし転んでもただでは起きず、そんな中で本当の自分の進む道を見つけていくんですね。

康子は売れない無農薬有機栽培のトマトを作る男と出会い、そのトマトをレストランなどに売り込む仕事に活路を見出します。

派手な生活をしていたリサは医師と出会いますが、その医師はネパールの山奥で役に立ちたいという考えの持ち主。

トイレは野外でといったそんなところで生活するなんてとんでもないと思っていたリサですが、長い髪をばっさりと切って刈り上げにし、スッピンで夫となった医師と旅立っていきます。

翻訳家を目指して渡米した沙織はヘリコプターのパイロットという職業に開眼し、航空学校に入学します。

ふとしたことがきっかけとなり、それぞれ思い描いていたことと違う道に向かうことになるんですね。

そんな彼女たちは皆たくましい。

目前の困難と闘いながら、どの女性も一回り大きく力強くなっていく姿が印象的な作品です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 15:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

「食べちゃえ! 食べちゃお!」野中柊

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著者は作家です。

夫は料理が得意なアメリカ人。

そんなご夫婦の暮らしとともに、63章もの美味しいエッセイを読ませてくださいます。

ダンナさんはなかなか本格的な料理を作られるようで。

ケーキやお菓子などの甘い話題もいっぱいで、私など甘いのは苦手なのですが、それでも著者の「美味しくって幸せ」な感じがよく伝わってきます。

そしてダンナさんとのラブラブな生活。

どちらもごちそうさまです。(笑)

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 『の』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月22日

「お笑い 男の星座 芸能死闘編」浅草キッド

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浅草キッドが芸能界の裏話を書いておられます。

和田アキ子邸で行われた新年会。

さまざまな事情があってあの「X-JAPAN」のYOSHIKIも呼ばれていたとか。

サングラスをかけたまま自分で持ち込んだドンペリを悠然とかたむけるYOSHIKI。

しばらく黙ってみていた和田アキ子がついに動きます。

「こっちに来んかいっ!」

「芸能界の先輩にサングラスしたまま挨拶するんか!」

アッコが手を伸ばし、YOSHIKIがかけていたサングラスをはずしてテーブルに置きます。

黙ってそのサングラスを元通りかけなおすYOSHIKI。

またはずすアッコ。

かけなおすYOSHIKI。

これが3度続いたあと、「おのれはウチで出すこの酒が飲めんのか!」というやいなや、ドンとテーブルに置いたのは「大五郎」の2.5リットルボトル。

さてこの緊迫感あふれるやりとりの行方は・・・・。

爆笑問題がダウンタウンの松ちゃんのことを「全身アディダスで、アディダスの広告塔か!」と雑誌のコラムに書いたところ、松ちゃんの逆鱗に触れます。

フジテレビに呼び出され、松ちゃん軍団に囲まれた爆笑問題は・・・・。

私は芸能界には興味ありませんが、このような裏話は楽しく読めてしまうんですね。(笑)

ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする