2011年07月09日

「名探偵浅見光彦の食いしん坊紀行」内田康夫

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内田康夫氏といえば売れっ子のミステリー作家です。

しかしいまだかつて氏の作品は一度も読んだことがなく、これが初めてとなります。

といいましても本業のミステリー小説ではなく食べ歩きエッセイですが。

著者の内田氏とその作品に登場する有名な名探偵浅見光彦が、編集者と同行してあちこち食べ歩くという内容。

カラー写真がふんだんに掲載されており、やはりこういうのは文章だけよりも写真が添えられているほうが楽しいですね。

内田氏は食についてはかなりシビアなようで、だめな店はだめとはっきり批判することが「愛のムチ」であるといいます。

なので作品の中でも取材中に訪れた店を浅見光彦の口から批判させたりしているようですね。

わざわざ取材先で案内された店でさえ作品中で批判するという徹底ぶり。(笑)

しかしそれは決して食通ぶっているというわけではなく、その店や受け継がれてきた食文化のことを思えばこそであります。

作品には主人公が訪れた先の店や食べ物がいろいろと出てくるようでして、いちど小説も読んでみなければと思った次第です。

ラベル:グルメ本
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2011年07月07日

「夜の朝顔」豊島ミホ

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連作短編集です。

主人公のセンリは田舎に住む小学生。

物語は一年生から始まり、最後は六年生です。

一冊が主人公の六年間の小学校生活という構成になっています。

夏休みに大好きないとこのお兄ちゃんが遊びにきたり、クラスにいじめられっこがいたり。

仲間の輪からはずれてしまったり、男の子に恋したり。

そんな誰もが経験するような内容が描かれています。

時代は昭和のような昔というわけではないのですが、ノスタルジックな雰囲気が漂うのは舞台が田舎のせいでしょうか。

誰もが体験する普遍的な話のせいでもあるでしょうね。

都会的なせせこましさがないのがいい。

気になりましたのが一人称で書かれているということ。

子供を主人公にした小説を一人称で書くというのはどうしても無理があると思うのです。

話の中の言動は小学生のそれだとしても、地の文が大人(作者)の目線であり語りなんですね。

そんな言い回しを小学生がするわけないだろ、というのが頻繁に出てきます。

というよりはほとんどそうです。

かといって実際の小学生レベルの文章力や思考レベルで書くと読むに耐える小説にはならないわけですが。

なので子供向けの作品は別として、子供を主人公にした小説は一人称で書くべきではない、というのが私の持論です。

ラベル:小説
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2011年07月04日

「お好み焼き繁盛店「鶴橋風月」成功のキーワード100」市川徹・橘恭輔

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「鶴橋風月」。

もともとは大阪鶴橋の路地で老夫婦が営んでいた一軒のお好み焼き屋でした。

そんな「風月」の常連客であった五影隆則は、ある日店のおばあちゃんからこの店を継がないかと話を持ちかけられます。

この味を消してしまってはならないと、五影は店を受け継ぐことにします。

おばあちゃんの味を変えることなく、一人でも多くのお客さんにこのお好み焼きを食べてもらう。

五影の奮闘が始まります・・・・。

路地の一軒から始まった「風月」ですが、現在は「鶴橋風月」として一大チェーンとなりました。

関東や九州、北海道にも店を拡げ、海外ではソウルにも出店。

成功を収めているようです。

しかしこの本は社長の一代記といった内容ではありません。

むしろ社長の話題はちらほらとしか出てこない。

こだわりながらも合理的なシステム化や従業員の愛社精神などを強調した、「鶴橋風月」の経営哲学といった内容です。

ですが写真も多く掲載されており読みやすいデザインなので、一般人の読み物としてじゅうぶんに楽しめる一冊です。

ラベル:グルメ本
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2011年07月02日

「魚河岸ものがたり」森田誠吾

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築地を舞台にした連作短編集。

吾妻健作という青年がこの町に住み着くことになります。

「鰹節問屋 吾妻商店」の若旦那ということですが、どうも訳ありな事情があるようです。

しかし物語は特にそれについて深く触れるわけでもなく、章ごとに主人公を変えながら魚河岸に暮らす人たちの生活を描きます。

最初の章のマグロ屋やラーメン屋と健作のエピソードがいいですね。

いかにも江戸っ子といった人物がいい。

そして後半になり吾妻健作が何者かというのが明らかになるわけですが、これはちょっと謎解き的な魅力があるものの、物語の流れとして異質な気もしました。

特にそのような設定をしなくとも、最後まで町の人々の人情話でさらりと流してほしかった気がします。

味わいのある小説ではありました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする