2011年07月02日

「魚河岸ものがたり」森田誠吾

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築地を舞台にした連作短編集。

吾妻健作という青年がこの町に住み着くことになります。

「鰹節問屋 吾妻商店」の若旦那ということですが、どうも訳ありな事情があるようです。

しかし物語は特にそれについて深く触れるわけでもなく、章ごとに主人公を変えながら魚河岸に暮らす人たちの生活を描きます。

最初の章のマグロ屋やラーメン屋と健作のエピソードがいいですね。

いかにも江戸っ子といった人物がいい。

そして後半になり吾妻健作が何者かというのが明らかになるわけですが、これはちょっと謎解き的な魅力があるものの、物語の流れとして異質な気もしました。

特にそのような設定をしなくとも、最後まで町の人々の人情話でさらりと流してほしかった気がします。

味わいのある小説ではありました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする