2011年08月31日

8月の一冊

今月は11冊。

実際はもう少し読んだのですが、後半更新をさぼってしまいました。

・「夜陰譚」菅浩江
・「文人には食あり」山本容朗
・「吉田電車」吉田戦車
・「検屍官」パトリシア・コーンウェル
・「文芸誤報」斎藤美奈子
・「おいしい日常」平松洋子
・「リボルバー」佐藤正午
・「活字三昧」目黒孝二
・「八朔の雪 みをつくし料理帖」高田郁
・「極上の調味料を求めて」藤田千恵子
・「さすらいの麻婆豆腐」陳建民

「夜陰譚」、幻想的なのはいいのですが、ちょっと抽象的すぎて読後の満足感に欠けました。

「文人には食あり」、いろんな作家の食に対してのこだわりが興味深い一冊です。

「吉田電車」、シリーズで他にも出てるので読んでみたいですね。

「検屍官」、久しぶりの翻訳物。

ベストセラーの人気シリーズですが、そんなに売れるほどの内容かなぁ。

でもまずまず読みやすかったです。

「文芸誤報」、シニカルな批評がいいですね。

フェミニストで左寄りなのがちょっと鼻につく場合もありますが、読んでいて楽しい。

「おいしい日常」、エッセイですが、いろんなお勧めの食品も紹介されています。

「リボルバー」、サスペンスとのことですが、どこかとぼけて淡々とした雰囲気はやはり佐藤正午。

「活字三昧」、本好きにとってこういう書評家のエッセイというのは楽しいものです。

「八朔の雪 みをつくし料理帖」、いまさらですがやっとこさ読みました。

シリーズ150万部突破とか。

納得のベストセラーです。

「極上の調味料を求めて」、食に興味があるなら、あの店行ったこの店行ったではなくこのようなところから始めなくてはならないのでは。

といってもそれに気付くには、やはりミーハーな店の追っかけを卒業してからのことになるんでしょうね。

「さすらいの麻婆豆腐」、地味な内容ではありますが、陳建民氏の人柄がよく伝わる一冊です。

さて今月の一冊ですが。

やはり文句なしに「八朔の雪 みをつくし料理帖」ですね。

楽しみに追いかけていきたいと思います。

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2011年08月28日

「さすらいの麻婆豆腐」陳建民

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日本において四川料理の父とも呼ばれる故・陳建民。

料理の鉄人として有名な陳建一氏の父上ですね。

そんな建民氏の料理人人生が書かれています。

タイトルどおりまさに中国のあちこちをさすらい、やがて日本にやってこられます。

やはり料理人としての資質だけではなく、経営者としても、そしてカリスマ性も持ち合わせた人だったのでしょう。

いろんな人たちからかわいがられ支持されます。

テレビの料理番組にも出演し、独特のキャラで人気者に。

それまで誰も知らなかった麻婆豆腐という料理を日本人に合うようにアレンジし、今や知らない人がいないほどに広めたのは建民氏です。

その他エビチリや坦々麺なども。

この本を読んでいますと驕ったところが全然ない人なんですね。

今の自分があるのも神様のおかげ、妻のおかげ、世話になったいろんな人たちのおかげ、みんなのおかげだと、毎日感謝の気持ちを忘れずに鍋を振っていらっしゃたそうです。

そんな氏が日本の料理界に残した功績は非常に大きいと思います。

ラベル:グルメ本
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2011年08月22日

「極上の調味料を求めて」藤田千恵子

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日本酒のライターとして有名な著者ですが、日本酒と醗酵調味料・醗酵食品とのジョイントをはかる「醗酵リンク」というのも主催しておられます。

日本酒を研究していれば、味噌や醤油や酢などの調味料にも行き当たるのは当然の流れといえるのでしょう。

この本ではタイトルどおり「極上の調味料を求めて」全国を取材していらっしゃいます。

しかしそれはグルメぶってただ単にブランド物の商品を求めるということではなく、まがい物でない本物の商品を求めるということです。

昔ながらの作り方は手間もコストもかかります。

なので大メーカーは早く安く商品を作ることになるわけですが、一番肝心な味やら安全性といったものを犠牲にしているのですね。

手間を省けば当然本来の味にはなりませんし、添加物を加えれば決して体にいいはずはないでしょう。

しかし今でも真面目に昔ながらの商品を作っておられる会社もあるわけでして、しっかりとそういう人たちの仕事ぶりを本書で伝えておられます。

もちろん紹介されている商品の問い合わせ先もしっかりとフォロー。

調味料に限らず実際に家庭で使う食品すべてをそういう物に切り替えるというのはなかなか難しいことではありますが、でも自分のできる範囲内で少しでも本物を使用できればと思いました。

ラベル:グルメ本
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2011年08月20日

「八朔の雪 みをつくし料理帖」高田郁

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料理人を主人公にした連作短編形式の小説です。

主人公の澪はまだまだ半人前の料理人。

訳あって大坂から江戸にやってきまして、「つる家」という蕎麦屋を手伝うことになります。

ここで酒の肴としてまず作って出したのが、牡蠣の土手鍋。

しかし甘口の白味噌で味付けたそれは江戸の人の口には合わず、散々な不評となります。

いろいろと試行錯誤した上で作り上げたのが、ぴりから鰹田麩。

これが好評でなんとか認められはするのですが・・・・。

その後もいろんな障害が澪を待ち受けています。

ライバル店による嫌がらせなどに立ち向かいながら、料理人として、ひとりの女性としての澪の成長ぶりが描かれていきます。

まずは店を任された「つる家」の繁栄。

そしてやがては「天満一兆庵」という澪が大坂にいた店の江戸店の再建という遠い目標。

それらを太い柱としながら、上手く配置された脇役との関わりもいい。

一緒に江戸にやってきた「天満一兆庵」の元女将である芳。

「つる家」の主の種市。

澪の料理に対して鋭いアドバイスをする謎の素浪人小松原。

人柄のいい医者の源斉。

大坂で幼馴染だった野江の出現もちょっとミステリアスな配置です。

そして同じ長屋の人たちの人情。

いいですね。

ちょっと山本一力作品にも似た雰囲気があります。

それぞれのサブタイトルには料理の名前が付けられています。

ぴりから鰹田麩、ひんやり心太、とろとろ茶碗蒸し、ほっこり酒粕汁など。

巻末にはそれぞれのレシピまで。

読んだ後は取り上げられている料理が食べたくなり、行きつけの飲み屋にいきました。(笑)

幸いその店には心太と茶碗蒸しがありますもので。

これこれ、と楽しませていただきました。

さすがにこの時期、粕汁はありませんでしたが。

いいシリーズに出会えたと思います。

現時点ですでに6巻まで出ており、今後が楽しみです。

いずれ直木賞の候補に挙がる作家ではないでしょうか。

posted by たろちゃん at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月18日

「活字三昧」目黒考二

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著者は書評家であり、椎名誠氏と共に「本の雑誌」を立ち上げた編集者でもあります。

私などは北上次郎のペンネームのほうが馴染みありますけど。

西村寿行を高く評価していらっしゃいましたしね。

この本の内容ですが、まさしく活字三昧。

ではありますが、著者もあとがきで書いておられますように、「全体の構成がバランスを欠いていることも否めない」のも確か。

椎名誠氏との探検隊内幕については、主旨とはちょっと違うだろと思います。

しかしそれも読書好きには楽しい話です。

作家とのプライベートなエピソードなんて、私はけっこう好きですけどね。

月に何十冊も本を読む著者のスケジュールなんかも紹介されていたりして、ほほうと感心してみたり。

古本屋めぐりの話なんて、まさしく自分にも当てはまったり。

まずまず楽しめました。

ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 『め』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする