岡山県と兵庫県の県境にある鬼首村。
そこで村の若い娘が奇怪な殺され方をします。
浅い滝壺で発見されたその娘は口に漏斗を突っ込まれ、その漏斗には上に置かれた枡から滝の水が注ぎ込まれています。
探偵の金田一耕助と磯川警部が事件解明に乗りだすのですが、次々と他の娘も殺されていくのです。
二人目は帯に竿秤が差し込まれ、秤の皿には作り物の大判小判をつけたマユ玉が乗せられています。
どうやら村に伝わる手毬唄の歌詞の内容に合わせた殺され方をしているようなのです。
金田一は次は錠前屋の娘が殺されるのではないかと警戒しますが、殺されたのは違う娘でした。
しかし殺された近くには錠前と鍵が落ちていたのですが。
二十年前にこの村で迷宮入りになった事件が関連しているらしく、また複雑な人間関係が事件を混沌とさせます・・・・。
横溝正史の代表作の中の一冊ですね。
前回読んだ「八つ墓村」よりはよかったと思います。
金田一耕助も存在感ありましたし。
「八つ墓村」では影が薄かったですからねぇ。(笑)
登場人物が多く人間関係が複雑なので、できれば読みながら自分で相関図を作りたいところ。
その複雑さが事件のきっかけともいえますし、作品に厚みをもたらしています。
文庫本で約500ページの長編、読み応えありました。
ラベル:小説