ミシュラン。
美食家にとっての赤いバイブルです。
料理人にとってもこの本の評価が人生を左右するほどの影響をもたらします。
そんなミシュランがいよいよ2008年に「ミシュランガイド東京2008」を出すことになったわけですが・・・・。
さすがに素早く反応したのが日本の料理評論家第一人者である山本益博氏です。
その興奮ぶりは異様とさえいえるほど。
某誌での日記連載でその様を拝見することができ、私も感想を残しています。
しかしわからなくはありません。
辻静雄氏に影響を受け、昭和四十年代という時代にミシュラン片手にフランスを食べ歩いてこられた方なのですから。
そして「ミシュランガイド東京2008」出版に合わせて出されたのがこの本です。
まずミシュランというのがどのような本なのか、どれほどの影響力があるのかということを説明しておられます。
その後、山本氏がミシュランの視線で東京の星が付きそうな店を食べ歩いて予想をしておられます。
この時点ではまだミシュランが出ていなかったわけですが、予想はあくまでも予想。
当たっていたかどうかはともかくとしまして、ミシュランが出たあとの不満タラタラが滑稽です。
なんであの店が2ツ星なのかって、ぶつぶついわれても。(笑)
だいたい日本のようないろんなジャンルの料理店がある都市なんて他に例がありません。
しかも高レベルで。
そんな東京の料理界事情の中で、あらゆる店を一緒くたに評価するというのが所詮無理あるんです。
フランス料理店、あるいは日本料理店に絞って評価すればずいぶんと値打ちはあったと思いますが。
ただし山本氏も書いておられますように、本物の日本料理や寿司がどういうものかを海外にアピールするいい機会にはなったのではないでしょうか。
同じ星でもフランス版とは三役と平幕ほどの重みの差があると感じるのは偏見でしょうかね。