2011年11月28日

「はぐれ牡丹」山本一力

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深川の裏店で暮らしている一乃、夫の鉄幹、四歳の幹太郎。

一乃は日本橋の両替商の娘ですが、親の反対を押し切り、勘当されてまで鉄幹と一緒になりました。

今は野菜の棒手振をしています。

鉄幹は寺子屋で子供たちを教えています。

貧しいながらも毎日幸せに暮らしていた一家ですが、一乃が贋の一分金を竹薮で拾い、同じ裏店のおあきが何者かにさらわれ、一乃夫婦や裏店の人たちが事件に関わりあっていきます・・・・。

ミステリーの要素も兼ね備えた人情小説といったところでしょうか。

貨幣改鋳を利用して贋金で一儲け企む松前藩の御用商人、それに乗る賭場の貸元である寅吉、それら悪党を相手におあきを助けるために立ち上がる裏店の住人やその周りの人たち。

やはり山本一力らしい小気味よい人情が描かれています。

裏店の人たちの連帯感がいい。

花火職人の松次郎の男気がいい。

主人公の一乃は現代小説でいうと探偵奥様といったところでしょうか。(笑)

素人ながらだんだんと事件の核心に迫っていくのですね。

ラストはちょっとバタバタと畳みすぎた感はありますが、なかなかスリリングでした。

今まで読んだ氏の作品の中ではやや小粒な印象ですが、それでもしっかり読ませられましたね。

ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする