2011年12月06日

「喰いたい放題」色川武大

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作家による食エッセイ集です。

阿佐田哲也として麻雀放浪記などで知られる作家ですが、開高健などのように食通として名を馳せておられた作家ではなかったように思います。

ご本人もあとがきで「だから私は、いわゆる食通でもなんでもないし、食通になろうとしているわけでもない。この本は、喰べ物をテーマにはしているけれど、豚のようになんでもガツガツ喰う男の話で、食通の美学をふりかざす向きからは顰蹙を買うだろう」と書いておられます。

グルメというよりはグルマンなんですね。

しかしやはりこだわりはお持ちです。

引越し先ではいい豆腐屋、ソバ屋、八百屋、魚屋などを検討されます。

同じくあとがきでこう書いておられます。

「喰べ物に関してもし凝るならば、たまに外出して喰べる贅沢な喰い物よりも、米とか、味噌とか、豆腐とか、日常茶飯の喰べ物を吟味したい」

ですよねぇ。

高級店で高いお金出せばそりゃいいものが出てきます。

そんなのは品のない贅沢であって、それよりも日常でごく普通に食べる物が本物であるということのほうがどれだけ贅沢なことであるか。

いや、本来なら贅沢ではなくそれが当たり前でなければならないのですが。

食通ではなく喰いしんぼうな著者の滋味あふれるエッセイです。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする