2011年12月19日

「ビタミンF」重松清

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三十代から四十代の中年男性たちを主人公にした短編集。

もう若くはないし、かといって枯れるにはまだまだ早い。

そんな年代です。

子供はというと中学生くらいだったりして、微妙で難しい年頃。

それぞれの主人公の子供たちは、家庭内暴力や万引き、いじめなどの問題を抱えています。

子供のことだけでなく、夫婦や自分の親のことでもいろいろとあったり。

どの話も決して明るくはありませんが、しかし陰気な暗さはありません。

むしろラストにはほのぼのとした希望がありますし。

無難に上手くまとめておられますね。

ツボを心得た話作りといいますか。

そのあたりちょっとベクトルは違いますが、浅田次郎を思わせたりもします。

粒揃いといえばまあそうなんですけども、その分突出した印象がないという気もしてしまいます。

贅沢な不満ですが。

ただ作者はこの短編集にそんな突出したものは意図していないでしょうし、このレベルの作品を淡々と一冊にまとめている力量を評価すべしでしょう。

主人公と同世代の男性は一度読んでみられては。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:58| Comment(0) | TrackBack(1) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする