2012年01月31日

1月の一冊

今月は以下の14冊でした。

私にしてはまずまず読めたほうです。

「妖精が舞い下りる夜」小川洋子
「本屋はサイコー!」安藤哲也
「グッドラックららばい」平安寿子
「今朝子の晩ごはん 環境チェンジ!篇」松井今朝子
「鳥葬の山」夢枕獏  夢枕獏
「窓のある書店から」柳美里
「復讐はお好き?」カール・ハイアセン
「くさいものにフタをしない」小泉武夫
「田村はまだか」朝倉かすみ
「バンドーに訊け!」坂東齢人 実は 馳星周
「夢の回廊」梁石日
「雛の鮨 料理人季蔵捕物控」和田はつ子
「魯山人味道」北大路魯山人 平野雅章編
「地獄からの生還」梶原一騎

「妖精が舞い下りる夜」、エッセイ集。

作家の裏話的な内容はそちら方面に興味ある人にいいかも。

「本屋はサイコー!」、普段何気なく利用する本屋さんですが、店作りにいろんな思いを込めておられるのがわかります。

「グッドラックららばい」、家族小説。

それぞれのキャラクターがしっかりと書き分けられており、実に楽しく読めました。

「今朝子の晩ごはん 環境チェンジ!篇」、食エッセイではありますが、実はさほど食については書かれていません。(笑)

でも面白いんです。

「鳥葬の山」夢枕獏 、だめですね。

短編集ですが、まずまず読めたのは2本ほどですか。

「窓のある書店から」、エッセイであり書評集でもあります。

さすがに柳美里の視線はシビア。

「復讐はお好き?」、翻訳物はあまり好きではないのですが、これはよかったです。

でも内容はどうということもなかったりしますが。

「くさいものにフタをしない」、いいですね、味覚人飛行物体こと小泉センセイ。

主に食べ物を取り上げ、これは嗅覚について書かれた一冊です。

「田村はまだか」、田村を待つ同級生たちの現在と過去が淡々とした筆致で描かれています。

でもラストが弱かったな。

「バンドーに訊け!」、馳星周ってこんなキャラだったんですね。(笑)

「夢の回廊」、これは短編集ですが、やはり梁石日は長編でがっつりと読みたい。

「雛の鮨 料理人季蔵捕物控」、ちょっと期待はずれ。

すべてにおいて薄いなぁという印象です。

「魯山人味道」、芸術家であり美食家であった北大路魯山人の著作。

頷く部分もあればちょっとそれはと思う部分もあり。

「地獄からの生還」、時代もあるでしょうが、読んで今後これほどのマンガ原作者って出ないだろうなと思いました。

作品的にも本人のキャラクター的にも。

さて、今月の一冊。

これというのがない中で「グッドラックららばい」が抜きん出てましたか。

家族小説という地味な(?)テーマでありながらしっかりとエンターテイメントに仕上げ、この枚数を飽きずに読ませる筆力はお見事。

作者渾身の一冊ではないでしょうか。

というわけで今月の一冊はこれ。

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2012年01月30日

「地獄からの生還」梶原一騎

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梶原一騎。

少年マンガの世界に金字塔を打ち立てた原作者ですが、晩年はスキャンダルまみれでした。

そんな著者が晩年を綴ったのがこの本です。

編集者に暴力を振るい、逮捕されて刑務所へ。

「獄中編」として、そのときの獄中生活からまず書かれています。

有名女優とのスキャンダルも多々ありましたが、それについても「おんな編」として1章を割いておられます。

極真空手を原点とした格闘技界の話は「生きざま交友編」で。

大山倍達との付き合い、猪木VSウィリー戦の真相、猪木監禁事件についてなど。

そして最後は「闘病編」です。

普通の人なら死んでもおかしくないような状況で病院に運びこまれた梶原氏。

しかし生き延びてこの本を書かれました。

まさしく「地獄からの生還」。

太く短く、人の何倍もの濃い人生を駆け抜けた巨星の自伝です。

ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 『か』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月28日

「魯山人味道」北大路魯山人 平野雅章編

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北大路魯山人。

陶芸家であり、書道家であり、篆刻家であり、料理家であり・・・・。

多才な芸術家であったようです。

中でも人生をかけてひたすら追い求めたのが美食。

自身で「美食倶楽部」、「星岡茶寮」といった料亭も手がけておられました。

そんな美食家魯山人が食について語っているのがこの本です。

かなり上から目線で語っておられる部分も多々ありますが、それがこの人物のキャラクターでありましょう。

かの有名な「トゥール・ダルジャン」で鴨を醤油と粉わさびで食べたというエピソードも書かれています。

しかしそのような傲慢な性格ゆえ世間からはずいぶんと冷遇されたようですが、死後になって天才として再評価されました。

亡くなってから評価が高まるというのは世の常ですね。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月26日

「雛の鮨 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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主人公の季蔵は日本橋の「塩梅屋」の料理人。

ある日、「塩梅屋」主人の長次郎が殺されます。

明らかに他殺であろう事件ですが、奉行所は自殺として済ませようとします。

納得のいかない季蔵と長次郎の娘のおき玖は下手人を追います・・・・。

その他、元長崎奉行の嫡男に陥れられようとしたり。

まあなんやかんやと主人公が事件に巻きこまれながらもそれを解決していくという内容です。

しかしなぁ。

事件の解決があっけなくなんの面白みもありません。

なので捕物帖としていまいちです。

じゃあ料理小説としてどうなのかといいますと特に料理が魅力的に描かれているわけでもなく、別に主人公が料理人である必要はないのでは。

どうしても高田郁の「みをつくし料理帖」シリーズと比べてしまいます。(同じハルキ文庫ですし 笑)

主人公が表向き商売人で実は違う顔を持つ(この巻ではまだそこまでいってませんが)ということでは山本一力の「損料屋喜八郎」シリーズがありますけども、それとも比べてしまうのです。

そうなるとこの作品がどうしても薄っぺらく感じてしまうのですね。

主人公の魅力、脇役の味、物語の深み、料理の魅力の無さ・・・・。

しかしシリーズとして長く続いていますので、今後面白くなっていくのでしょうか。

すでに購入済みですので(笑)これからに期待します。

posted by たろちゃん at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 『わ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月24日

「夢の回廊」梁石日

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短編集。

梁石日には作家として二つのルーツがあります。

まず大きなのは在日韓国人だということ。

これはもう作家梁石日のアイデンティティといえるでしょう。

そしてもうひとつはタクシードライバー。

作家になる前はタクシーの運転手をやっておられ、その経験を元に書かれた「タクシー狂躁曲」で作家デビューしておられます。

この短編集はそのどちらのテーマにも跨いでいるのですが、初期の習作集といったレベルでしょうか。

前半の「夢の回廊」から「さかしま」にかけては連作といえますが、取り上げられたテーマはいいものの物足りません。

これらは長編のためのプロローグにするべきではないかと思いました。

後半のタクシー運転手ものもまだ梁氏が作家としてなにを書くべきかの本領に目覚めておられないのでは。

梁氏にとってルーツではありましょうが、小手先の短編という感があります。

やはりこの作者、長編でガツンと読ませるタイプでしょうね。

構成の難はありますが(笑)、ディープなテーマでどっぷりと長編を読みたい。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする