小学校の同窓会の3次会で深夜のバーに集まった5人の男女。
店のマスターも含めて彼らが待つのは「田村」なる同級生。
しかしなかなか田村はやってきません。
いったいなにをしているのか。
各自いろんな自分の過去を思い出し、語りながらひたすら田村を待ち続けます。
それにしても田村はまだか・・・・。
それぞれの登場人物にスポットを当てながら名前が明らかになり、過去を書くことによってその人物のキャラを立てていくという構成です。
それはそれで短編として読める内容で、さりげなく各人物の人生を描いています。
しかし私が最後までよくわからなかったのは、彼らが田村を待ち続けるその根拠。
吸引力といいますか、そこまでして皆が待ち続ける魅力が田村のどこにあるのか。
そこのところが弱いと思うのですがどうなんでしょ。
ま、ある意味田村の存在はそれぞれの人物紹介のための道具であるような気もします。
田村を待つという共通の目的を持ち、深夜のバーという閉鎖的な空間で時間を共有する男女の物語。
裏表紙には「ラストには怒涛の感動が待ち受ける」とありますが、どこにそんなのが?
ラベル:小説