2012年03月20日

「食品のカラクリ」別冊宝島編集部 編

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世の中紛い物な食品が溢れかえっています。

あるいはなぜこんな安い値段で食べられるのかとか。

そんな食品のカラクリについて書かれた本です。

値段でいえば回転寿司のトロや食べ放題焼肉の値段のカラクリ。

紛い物でいえばネギトロや成型ステーキ、人工イクラなど。

やはり安いからにはそれなりの理由があるわけです。

しかし私はそれらが必ずしも悪いとは思いませんけども。

天然の本マグロが高くて手が出ないのなら、蓄養マグロでもいたしかたないじゃないですか。

問題は消費者を騙したり体に害があるということなんですね。

アブラガニをタラバガニとして販売したり、添加物まみれだったり。

アブラガニはアブラガニとして販売すればいいんです。

カラスガレイのエンガワをヒラメのエンガワとして販売するから問題あるんです。

添加物に関しては原材料名の表示を見て避けることができますが、表示義務のないものもあったりして一筋縄ではいきません。

激安ユッケの食中毒事件なんてのもありましたが、いくら安くても得体のしれないものを食べさせられるのはいい気持ちがしないのは確かです。

そんな中でカニかまなんてのはまあ可愛い部類でしょうか。

決してカニだと主張しているわけではなくちゃんとかまぼこと名乗っているわけですし、いまどきあの食品を本物のカニだと思っている人はいないでしょうし。

まあそんなこんな、いろんな食品が紹介されています。

でもこの別冊宝島のシリーズ、いまいちツッコミが浅いんですね。

ひとつの項目に3ページしか割けないせいもあるのでしょうけど。

ちょっともどかしさを感じます。

広く浅くといったところでしょうか。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 『へ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月18日

「月とシャンパン」有吉玉青

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短編集。

6編収録されていますが、どれも女性を主人公にした恋愛小説です。

そして年齢は20代から40代と振り分けられています。

表題作の主人公波子は外資系の企業に勤めるキャリアウーマンで独身の42歳。

妻子ある芝木という男性と付き合っています。

ある日芝木からロンドンに転勤になると聞かされる波子。

芝木を愛していながらもふっと気持ちが冷める自分に気付きます・・・・。

どの作品もロマンチックなようでいて、冷めたシビアな作者の視点があります。

例えば「春に踊る」という作品。

別れた彼氏の誘いに乗り、彼氏のアパートに行く真由子。

部屋で食事をしながら付き合っていたころの想いがよみがえり言葉を出そうとすると、それを制するように「もう、つきあえないよ」と言われます。

お互いまだ好きであるにもかかわらず、こぼれた水は元には戻らないんですね。

「スパーク☆」では25年ぶりに偶然再会した学生時代の恋人と逢瀬を重ねる48歳の主婦が主人公。

ついには自ら抱いてほしいと口走りそのような関係になるのですが。

これも結局は相手から一線を引かれてしまうのですね。

浮かれたような一時の恋愛感情。

しかしそれは儚く現実に引き戻されてしまうのです。

ですがどれもまったく救いがないわけではありません。

彼女たちには仕事であるとか家庭であるとか帰る場所があるのです。

それぞれの年代や立場で恋愛を求めながらも思うようにはいかないほろ苦さ。

ふと現実に立ち帰る寒さと虚しさ。

しかしそれによって足元を再確認し明日に目を向ける晴れやかさ。

そんな味わいの短編集です。

ラベル:小説
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2012年03月16日

「美味しんぼ96 究極の料理人“春編”」作・雁屋哲 画・花咲アキラ

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表題は“究極の料理人 春編”です。

お馴染み料理人の岡星が鬱病になってしまったとのこと。

なんともまあ唐突な設定であります。

山岡たちはそれをなんとかしようと行動します。

もちろん料理で。(笑)

それで登場するのが「京味」という店。

これは実在する店でして、食通には知られています。

森須滋郎氏が編まれた「味で勝負や 美味い昔の京料理」という先代の西音松氏が残した本のレシピを、現主人の西健一郎氏が再現するという内容です。

さて、これで岡星の鬱病は回復するのか・・・・。

結論から言えば今までのようにあっけなく解決というわけにはいかず。

「夏にまたやりましょう」なんて山岡。

引っ張るんかよ雁屋さん。←原作者(笑)

そのあとはまた出てきました、恒例の「安上がりな食べ物自慢大会」。

一人前○十円なんて紹介されてますが、材料は数円単位で買えませんしねぇ。

いまさらですが、どんどんレシピ紹介の方向に進んでます。

でもそれなら「クッキングパパ」のほうが実用性あるんですけどねぇ・・・・。

ラベル:グルメ漫画
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2012年03月14日

「編集狂時代」松田哲夫

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漫画誌「ガロ」と出会って編集の世界に足を踏み入れることになった印刷物マニアの著者。

筑摩書房に入社することになります。

いろんな気になる書き手とコンタクトを取り、本を作っていきます。

雑誌を創刊してこけたりの失敗もありますが、「ちくま文庫」などを手掛けて名物編集者に。

そんな編集者としての半生が書かれています。

恥ずかしながらこの本を読むまではお名前を存じ上げていなかったのですが、「王様のブランチ」という番組で読書コーナーを担当されていたのですね。

この番組なら観たことはないですが噂は聞いた(読んだ)ことがあります。

そういえばと思い当たり山積みになっている積ん読状態の本の山を見てみますと、すでにこの著者の本は購入済み。

『「王様のブランチ」のブックガイド200』という本です。

やはり知らずとも気になる本はちゃっかり購入しているようで。(笑)

またこちらも近々読むとしましょう。

さて、本書。

オタクだった少年時代から編集者として現在の地位を築かれるまでが書かれているわけですが、単なる出版社社員としての経歴だけではないんですね。

というか、出版社社員でありながら全然関係のないことをやっておられる。(笑)

例えば野坂昭如氏の選挙活動のスタッフとか。

赤瀬川原平氏や南伸坊氏らと発足された「路上観察学会」とか。

そのような活動が経歴に面白みを添えています。

そんな著者も現在(この本が出た時点)では筑摩書房の専務取締役だとか。

別会社の社長もやっておられるようです。

著者の半生記ではありますが出版界のいろいろな事情もわかり、この業界に興味ある人にとってはなかなか貴重な一冊ではないでしょうか。

ラベル:本・書店
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2012年03月12日

「くっすん大黒」町田康

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無職で毎日ぶらぶらしている主人公。

妻にも愛想を尽かされ出ていかれました。

当然部屋の中は散らかり放題なのですが、そんな中になぜか大黒様の置物があります。

バランスが悪くしょっちゅう倒れるそれに主人公はむかつきを覚え、「大黒をすててこます」と決意するのですが・・・・。

なんともまあ馬鹿馬鹿しい小説です。

たかが大黒様の置物を捨てるということでよくもまあここまで話を転がせるものだなと。

これがまた独特の文体で読ませるんですよねぇ。

むちゃくちゃに話を転がせているようで、でもおそらく(当然か)作者はしっかりとコントロールしておられるはず。

決して思い付きを並べているわけではないでしょう。

最後は「自分は豆屋になろうと考えた」って、あんた・・・・。

併録されている「河原のアパラ」もいやはや。

実に面白い一冊です。

裏表紙に書かれているように、まさに「鮮烈のデビュー作」ですね。

賛否両論あると思いますが、私は支持します。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする