2012年03月04日

「慕情の旅」芝木好子

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短編集。

表題作「慕情の旅」の主人公美子は三十歳の独身女性。

父親が経営する眼鏡会社の副社長です。

結婚の日取りまで決まっていた相手が、妹と出奔して結婚してしまうという苦い過去があります。

ずっとその傷を引きずっているわけですが、仕事で京都に訪れた際、京都支店の人物の計らいで京都在住の妹夫婦の五歳の娘と会います。

かわいくてしかたがなく、あちこち連れまわす美子。

その後結婚相手だった男と再会するのですが、おどろくほど老けて面変わりしていました。

美子は娘と手を繋いだ感触に男のかたみを感じます・・・・。

「禁断の人」の岸子は乳癌で乳房をなくすことになります。

死さえ覚悟する岸子は既婚者でありながら、子供のころから付き合いがあり思いを寄せていた親戚の泰信に言います。

「抱いて!抱いて!」

息が詰まるような女の情念ですね。

どれも男女の仲を描いた小説です。

恋愛小説という言葉で表現するほど華やかではありませんが、女性の微妙な心理が描かれています。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする