2012年03月10日

「ポトスライムの舟」津村記久子

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29歳の女性ナガセは工場をメインに友人のカフェやパソコン教室の講師などで生計を立てています。

ある日工場に貼られている世界一周163万円のポスターに目が留まります。

163万円といえば自分のこの工場での年収とほぼ同額。

自分の1年分の勤務時間が世界一周と同等の価値。

ナガセは密かに世界一周163万円を貯めることにするのですが。

とはいながら、いろいろと出費があります。

こんなことにお金使っている場合ではないと思いつつ・・・・。

「十二月の窓辺」という作品も併録されているのですが、どちらもこれは立派なプロレタリア文学ですね。

昔のそれとは違い変な思想や押し付けがましさはありません。

しかし主人公の境遇やその中に置かれての心境はまさしく現代の女性プロレタリア文学だといえるのでは。

表題作の「ポトスライムの舟」は芥川賞受賞作ですが、私はむしろその前に書かれた「十二月の窓辺」に作者のモチーフを強く感じます。

作者の経験もかなり反映されているのでしょうか。

「OL」を主人公に「オフィス」を舞台にしてこのような小説を書かれますか。

津村記久子、要注目な作家ですね。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする