いきなりマグロかスーパージェッターかわからんやつから電話がかかってきます。
どこかへ出かけろと。
「私」はしかたなく家を出、海芝浦という駅に向かうはめになるのですが・・・・。
スタートからシュールな笙野文学全開です。
それゆえ私にとってはちょっとついていけない部分もあるのですが。
海芝浦という駅はプラットホームの片側が海、もう片側が東芝の工場です。
改札は東芝への入り口となっており、関係者でないと通れません。
そんな変な駅があるのかと思ったら実在するんですね。
マグロから電話がかかってきてという虚構に虚構のような現実を合わせる。
このあたりのテクニックが物語を混沌とさせるわけです。
表題作は第111回芥川賞受賞作。
その他「下落合の向こう」、「シビレル夢ノ水」を収録。
笙野頼子の世界を堪能できます。
ラベル:小説