2012年05月29日

「時が滲む朝」楊逸

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中国の小さな村から大学に進学した二人の青年。

中国の民主化を目差すため運動に参加するのですが、待っていたのは天安門事件。

しばらくして二人は飲み屋で暴れ、退学処分となります。

その後主人公は日本に渡り結婚し子供もでき、かつての仲間は理想を追う運動から金儲けのビジネスに移行するわけですが、主人公はずるずると過去を引きずります・・・・。

作者は中国人。

「日本語を母国語としない作家として初めて芥川賞を受賞」したと話題になりました。

それはたしかにすごいことだと思います。

でもそのプロフィールがちょっと先走りしすぎてませんかね。

たしかに悪くない小説ですし、ある意味王道の純文学という匂いもあります。

しかし私が感じたのは、このようなテーマなら梁石日氏が散々書いておられるではないかと。

もちろん中国人と朝鮮人という違いはありますけども。

主人公が祖国を想い、運動し、もどかしさを感じ、にもかかわらず報われない。

読者の視点からすれば青すぎる思想であったりします。

梁石日氏はこれを読み応えあるエンターテイメントに仕上げてこられました。

この作者の楊逸氏は純文学に仕上げられましたが、さて小説としての出来はどうでしょうか。

むしろ私は楊逸氏が今後どのような作品を書いていかれるのかに興味があります。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする