今月読みましたのは以下の14冊です。
まずまずの量を読めました。
・「帝国ホテル 厨房物語 私の履歴書」村上信夫
・「蹴りたい田中」田中啓文
・「天狗の落とし文」筒井康隆
・「ピアノ・サンド」平田俊子
・「絲的炊事記 豚キムチにジンクスはあるのか」絲山秋子
・「林真理子の名作読本」林真理子
・「白夜行」東野圭吾
・「神田川デイズ」豊島ミホ
・「帽子」吉村昭
・「西城秀樹のおかげです」森奈津子
・「食味歳時記」獅子文六
・「彼女について知ることのすべて」佐藤正午
・「裁判長! 死刑に決めてもいいすか」北尾トロ
・「日本人が食べたいほんもの」向笠千恵子
「蹴りたい田中」、タイトルからして馬鹿馬鹿しい一冊です。
ダジャレ連発の内容はやはり馬鹿馬鹿しい。(笑)
「天狗の落とし文」、こういう小話ばかり集められても・・・・という感じ。
あまり面白いとは思いませんでした。
「ピアノ・サンド」、ちょっと黒い雰囲気の作風です。
井上荒野を思わせたりもしました。
「白夜行」、850ページを退屈することなく読ませるのはさすがですが、主人公の心理がよくわからないのがもどかしい。
人物関係もいまいち説得力ないし。
「神田川デイズ」、いちばん輝いているときでありながら、どうも今の自分がいる場所は違うのではないかと焦燥する大学生たち。
雑踏の中の寂しさを感じさせるような作品です。
「帽子」、どれもこれといって大きな出来事があるわけでもない些細な話です。
しかしじんわりと短編小説の味わいを感じさせてくれます。
「西城秀樹のおかげです」、「蹴りたい田中」と同じく、これまた馬鹿馬鹿しくしかもエロい短編集です。
百合を扱っておられますが、どれもマニアックではなく楽しむことができました。
「彼女について知ることのすべて」、さすがの佐藤正午。
ミステリー、ハードボイルド、恋愛小説、そういった要素を含んで読み応えのある長編でした。
さてさて今月の一冊ですが、文句なしにこれだなというのはなかったです。
そんな中から一冊を選ぶならば、「西城秀樹のおかげです」でいきましょうか。
この作品で初めて知った作家ですが、他の作品もぜひ読みたいと思わされるものがありました。