2012年06月16日

「神田川デイズ」豊島ミホ

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連作短編集。

主人公たちは神田川近くのある大学の学生たちです。

モテない童貞の3人組が意を決してお笑いトリオを結成する「見ろ、空は白む」、所属する映画サークルに愛想を尽かして飛び出し、女性向けピンク映画を撮るんだと張り切る女子学生3人「どこまで行けるか言わないで」、学生で作家としてデビューするもそのあとがパッとしない主人公とその彼女「花束になんかなりたくない」、などなど。

どれも現状に満足せず、なにかしたいんだけどなにをしていいかわからない、今と違うどこかに行きたい、そんなもどかしさを持つ若者の姿を描いています。

神田川といえば昔の四畳半フォークのイメージですが、現代にそのイメージを持ってくるあたりがミスマッチなようでいてしっくりときています。

不自由なく明るいようでいて、やはりみんなもどかしさや焦りというものを感じているんですね。

ノスタルジックで乾いた雰囲気の中にほろっと切なさが漂うような作風。

この作家にはずっとそのような印象を持ち続けていますが、この作品集でもやはり同じくです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 03:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 『と』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする