2012年07月02日

「仲蔵狂乱」松井今朝子

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江戸時代は元文から寛政にかけてが舞台です。

歌舞伎役者の中村仲蔵の生涯を描いています。

仲蔵はもともと梨園に生まれた子ではありません。

父親は浪人者です。

そして長唄の唄うたいと踊りの師匠夫婦の養子となります。

やがて子役として歌舞伎の舞台に立つようになるのですが、しばらく歌舞伎の世界から離れるのです。

また歌舞伎の世界に戻ってきたときにはいちばんの底辺からやり直しです。

とんでもないいじめにあったりもし、自殺未遂さえ起こします。

芸に関しては声が悪いのが致命的なのですが、それを努力と持ち前の舞の美しさで克服していき、やがては押しも押されぬ人気役者となっていきます・・・・。

さすがの松井今朝子ですね。

私のように歌舞伎にまったく知識ない者もどっぷりと楽しめましたし、歌舞伎に興味ある人ならば尚更ではないでしょうか。

初代の勘三郎、勘九郎、団十郎、幸四郎といった名前がぞろぞろと出てきます。

決して仲蔵の単純な成り上がりの話ではありません。

山あり谷ありの起伏が読み手の心を捕まえます。

そして仲蔵の人生を通じ、自分ひとりの力だけではなく、いろんな人との縁で今の自分があるのだということを強く考えさせてくれます。

実に読み応えありました。

見事に役者の生涯を描いた作品だと思います。

ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする