シリーズ3冊目となり新しい登場人物も出てきます。
戯作者・清右衛門が連れてきた版元の坂村堂です。
食道楽の坂村堂は澪の料理をとても気に入り、雇っている上方出身の料理人にこの味を覚えさせたいというのです。
やってきた料理人はなんと行方不明になっている天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と一緒に働いていた富三でした。
佐兵衛の行方を訊いてみると驚くような話が・・・・。
いつもながらいいですねぇ。
4章に分かれており、それぞれ紹介されている料理は「う」尽くし、ふっくら鱧の葛叩き、ふわり菊花雪、こんがり焼き柿。
澪が作る料理やそれをいただく人たちの描写がとてもいい。
料理小説としてじゅうぶん楽しめるのはもちろん、そこに人情や淡い恋愛、幼馴染みの野江との邂逅、若旦那・佐兵衛の行方などいろんな要素が盛られています。
それぞれの人物が魅力的で話の作り方がすごく巧いですね。
とても楽しみに読んでいるシリーズです。