瀬戸内海にある「獄門島」と呼ばれる島。
金田一耕助が死んだ戦友の遺言を持ってこの島を訪れます。
その遺言とは「獄門島へ行ってくれ・・・・三人の妹が殺される・・・・おれに代わって行ってくれ」というもの。
しかし金田一が居ながらにして三姉妹は次々と殺されていくのです。
しかも奇妙な殺され方で・・・・。
数ある横溝作品の中でこれをベスト1に推す人も少なくない作品です。
俳句にちなんだ三姉妹の殺され方のそれぞれ違ったトリック、最後まで予想のつかない犯人など。
しかし最初の犠牲者は木に逆さに吊るされていたわけですが、人間を木に逆さ吊りするなんてかなり骨の折れる作業です。
犯人はそれを一人でしかもほんのわずかな時間でやってのけています。
これがどうも納得いかない。
第二の犠牲者は釣鐘の中に置かれていたわけですが、これも時間差のトリックの種明かしを読んでみれば子供だましのような内容。
私はトリックやらアリバイやらといった話はあまり好きではないので、そのように冷めた目で見てしまうのかもしれませんが。
ただ金田一(読者)の目を最後まで犯人に絞らせない人物配置や物語設定などは見事だなと思いました。
どっしりと読み応えのある大作ではあります。
ラベル:小説