2012年08月08日

「あやまち」沢村凜

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30歳間近のごく平凡なOL。

電車通勤しているのですが、いろいろと偶然に気付きます。

たまたま同じ車両に乗り合わせた茶色いジャケットの男性。

尾行者を巻くようなそぶりを見せるのです。

なぜか興味を持ってその男性をアパートまで尾行したりします。

主人公はいつも地下鉄のホームから地上への出口まで階段を利用します。

他にそんな利用客はいなかったのですが、ひとりだけ階段の途中で主人公を追い越していく男性に出会います。

ふとしたきっかけでその男性と接点を持ち、付き合うことになります。

しかしそれを機にして、主人公を尾行する人物が現れます・・・・。

茶色いジャケットの男性、階段通勤の男性との出会い、そして不気味な尾行者。

これがどのように繋がっていくのか、読んでいてもなかなかわかりません。

ですが、だんだんとそれらが繋がってくるのです。

このあたりの焦らしのテクニックはいいですね。

真相を知ったときの主人公の対応。

これは考えさせられるのではないでしょうか。

もし自分がその立場なら。

そういうのを突きつけてこられる作品です。

作者は結論を頭に持ってきておられますけども。

読み終えまして、さりげないタイトルの奥深さを感じました。

ラベル:小説
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2012年08月06日

「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎

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陽気なギャングたちが帰ってきました。

シリーズ第2弾です。

全部で4章ありますが、第一章はこれまた4つの章に分かれており、メンバー4人のひとりひとりをメインにした話です。

それぞれを読んだ時点では話につながりはありません。

しかしそれぞれの出来事がしっかりとあとでつながってくるのですね。

話のメインとしましては、成瀬の部下の婚約者が誘拐され、それを救い出そうというもの。

第一章が全体の約半分ほどを占めており、第二章からそちらの話に移行します。

ただ第一章とそれ以降の章のつながりがどうもぎこちない。

あとがきを読みましたら、もともと短編として書いたものをまとめて長編の第一章にしたとのこと。

なのでつながりにちょっと無理があるんですね。

そのせいかいつもほど一気呵成な流れは感じませんでした。

それでもじゅうぶん楽しめました。

やはり伊坂幸太郎はおもしろい。

ラベル:小説
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2012年08月03日

「ワーホリ任侠伝」ヴァシィ章絵

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商社でOLをしているヒナコはワーキングホリデーの資金を作るため、夜はキャバ嬢として働きます。

そこで出逢ったのがリュウイチさん。

資産家の息子のようで羽振りがいい。

しかしリュウイチさんと連絡が取れなくなり、やがて別れ話に。

ここから話がえらい方向に向かいまして、ヒナコはヤクザに追われる身となり海外逃亡。

さてヒナコの運命は・・・・。

次から次と話が転がっていき、けっこう楽しめましたね。

コメディであり恋愛小説であり、お水と任侠の世界であり。

やや話を暴走させ過ぎな感もなくはないですが、でもそれは新人のデビュー作としてパワフルな好印象とも取れます。

タイトルに任侠伝とありますが、OLと任侠の組み合わせというのに赤川次郎の「セーラー服と機関銃」を思い出したりしました。

海外に舞台を移すあたりに伊集院静の「羊の目」をダブらせたり。

男性よりも女性に支持されそうな小説です。

ラベル:小説
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2012年08月01日

「作家の生態学(エコロジー)」山本容朗

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他の著作でもそうなのですが、この著者は交流ある作家のいろんなエピソードを本にしておられます。

もちろんこの作品もそんな一冊です。

出版は昭和60年。

なので作家といいましてもその年代に一線で活躍しておられた方々ということになりますが。

その中でもよく登場するのが吉行淳之介、色川武大(阿佐田哲也)、田中小実昌、半村良といったところ。

皆さんすでに亡くなっておられます。

そういう作家たちのエピソードは今となっては貴重な文壇資料ともいえるでしょう。

時代が違うとはいえ、やはり昔の作家というのはとても個性的だったようです。

ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 04:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする