短編4編収録。
表題作は「十八の夏」。
予備校生の信也はいつも川の土手でスケッチしている年上の女性と出会います。
そして勉強部屋として彼女が住むアパートに引っ越します。
しかし彼女との出会いは決して偶然ではなく、信也は計画的に彼女に近づいたのです。
その理由は・・・・。
第55回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した作品とのことですが、なんでこれがと思ってしまいました。
作品自体はそんなに悪くないのですが、推理作家協会が賞を与えるほどの内容とは思えません。
って私が言うのも大きなお世話でしょうけども。(笑)
ミステリーとしては女性の行動がもひとつ説得力に乏しい。
それよりも青春小説としての色合いが濃いように感じたからでしょうか。
そしてミステリーの短編集かなと思いきや、2番目と3番目は恋愛小説ですし。
(個人的には2番目の「ささやかな奇跡」がよかったですけどね。)
1冊の本としてもなんだかまとまりがありません。
花をモチーフにしておられるとのことですが、ちょっとそれは弱いんじゃないですかね。
ミステリーよりもむしろ繊細な心情を描いた恋愛小説に本領を見せられる作家ではないでしょうか。
ラベル:小説