2012年09月30日

9月の一冊

今月も14冊でした。

まずまずがんばりました。(笑)

・「熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-」中山可穂
・「電話男」小林恭二
・「人のセックスを笑うな」山崎ナオコーラ
・「居酒屋かもめ唄」太田和彦
・「海炭市叙景」佐藤泰志
・「サービスの達人たち」野地秩嘉
・「ミューズ」赤坂真理
・「千年ごはん」東直子
・「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」リリー・フランキー
・「本とつきあう本 小説、マンガ、競馬新聞、なにからなにまで」光文社文庫 編
・「ますます酔って記憶をなくします」石原たきび編
・「我が父たち」津島佑子
・「開高健が喰った!!」菊谷匡祐
・「介護入門」モブ・ノリオ

「熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-」、初めてこの作家のエッセイを読んでみました。

ちょっと作者の素顔が垣間見れてよかったです。

「電話男」、目の付け所はいいと思いました。

でも話の展開がちょっと理屈っぽいというか陰気というか・・・・。

「人のセックスを笑うな」、人をくったようなペンネームとタイトル、内容もまたそのような。

でも他の作品も読んでみたいです。

「居酒屋かもめ唄」、相変わらずの居酒屋求めたぶらり旅。

今回はいつもより味わいがあった気がします。

「海炭市叙景」、海炭市という寂れたような街で暮らすさまざまな人たちのさまざまな人生。

地味ではありますがじっくりと読み応えありました。

「ミューズ」、もひとつ何が書きたかったのかよくわからず。

エロっぽさはよかったですけど。

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」、本屋大賞を受賞し、ベストセラーになりました。

コテコテですがたしかにいい作品ではあります。

「我が父たち」、この作者の小説にはなんとも幻想的といいますか、小さな悪夢を見ているような気にさせる雰囲気があります。

この作品集もやはり同じくです。

「開高健が喰った!!」、作家・開高健の愛した店、そして喰いっぷりを見事に書いておられます。

そこから作家の魅力が滲み出ているのですね。

「介護入門」、自宅介護というテーマをちょっと変化球で書いてみた小説。

でも実はストレートだったりします。

今月特に抜きんでた本はなかったように思います。

でも「海炭市叙景」はじんわりとよかったですし、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」も泣けました。

しかしいちばん楽しく読めたのは「開高健が喰った!!」です。

今月はこの一冊で。

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posted by たろちゃん at 05:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月28日

「介護入門」モブ・ノリオ

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主人公はマリファナだの大麻だのどうこういっている無職の男。

いかにもちゃらちゃらしてそうな人物なのですが、祖母を母といっしょに自宅介護しているのですね。

そんな毎日を宗教的、哲学的、社会批判的、「YO、朋輩(ニガー)」なんてヒップホップ的なノリで語ります。

髪の毛まっキンキンの若者が電車の中で大股拡げてギャハギャハしていながら、老人が乗車してくるとさっと席を立ち「どうぞ」と譲るようなミスマッチ感。

そんなのがまあこの小説のウリなんでしょうか。

老人の自宅介護ということについてはけっこうしっかりと描かれていると思います。

これはやはり経験しないとわからないことでしょう。

芥川賞を受賞した本編よりも、私は併録されている「既知との遭遇」のほうが楽しかったです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月26日

「開高健が喰った!!」菊谷匡祐

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美食家、大食家として知られた作家・開高健と長年付き合いのあった著者。

そんな著者が開高健の愛した店を紹介し、その店での食べっぷりを書いたのがこの本です。

いちばん最初の章で著者が開高氏とざっくばらんな中華屋に入ったときのことが書かれています。

『店に入るとすぐ、開高さんが注文した。「ビール二本、餃子四人前にやわらかい焼きそば三人前、それとレバニラ炒め三人前、とりあえずそれだけ持って来て頂戴・・・・」』

氏はそれらをひたすらかっこんだそうです。

『この間、何もしゃべらない。ひたすらかっこみ、飲む。かっこむ、飲む。「ビール二本追加!」』

うひゃあ、たまりませんね。

そして『「さて、シメはタンメンで行こか・・・・」』

これを読んで思わず私も中華屋に走り、ビールと餃子をかっこんでしまいました。(笑)

その他いろんな店での食べっぷりが紹介されていますが、決して美食家気取りではありません。

著者があとがきでも書いておられますが、「開高健は食いしん坊でしかなかった」と。

だからこそ「よほど味に敏感に反応し得るらしい」と。

著者との食を通しての付き合いを読み、開高健の魅力ある人柄を味わえました。

posted by たろちゃん at 02:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月23日

「我が父たち」津島佑子

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表題作他2編。

最初は「壜のなかの子ども」です。

近くの大学病院裏で飼われている畸形の動物に関心を持つ男の話。

その男には大人になっても1メートルほどにしか成長しない病気を抱えている小学生の息子がいます。

息子の病気のこともあって男は畸形の動物に関心を持つのでしょうか。

「火屋」はちょっと幻想的な作品です。

自分の夫が実は犬だったと思い込む女の話。

これを現在と娘が語る話とを交互に入り混じらせることにより、物語をいちだんと幻想的且つ複雑なものにしています。

「我が父たち」。

父親が違う3姉妹とその母親、そして祖母という女家族の話です。

店をやっていましたが祖母が亡くなり、支柱を失った親娘は店終いして逃げるように家を出ていきます。

だんだんと崩れ落ちていく家族を描いた作品です。

タイトルのわりには父親というものが出てきません。

しかし女性たちのそのような境遇を描くことにより、逆に父親への想いというようなものをじんわりと浮かび上がらせているのですね。

障害を抱えた子供や父親違いの娘たちの話など、いかにも津島佑子らしいテーマだなと思えました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月21日

「ますます酔って記憶をなくします」石原たきび編

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酒を飲み過ぎて記憶をなくし、さまざまな失敗をしでかした人たちのエピソード集。

第2弾となります。

酒飲みなら誰しも経験あると思うのですが、酔っぱらって記憶をなくし、そのあいだにこんな言動をやらかしていたのかと冷や汗をかくことがあります。

笑って済むようなことならまだいいのですが、穴があったら入りたいようなこと、取り返しのつかないようなこともあったりして。

一歩間違えると命に関わることもありますので要注意です。

しかしこの本を読みますと、女性のエピソードのほうが強烈ですね。

同じ失敗でも女性のほうがインパクトがあるということもあるかもしれませんが。

まあこうやって笑い話として振り返ることができるのなら幸いかと。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする