電話でさまざまな人たちの話し相手をする「電話男」という人物たち。
話し相手というよりはひたすら聞き役です。
自分から電話を切ることも禁じられています。
1日中電話相手をしていますから運動不足で肥満。
それはいったいどのような人物たちなのか。
そして世間は彼らをどのように見たのか。
当時としてはなかなか面白いアイデアだったでしょうね。
84年の作品ですから、まだテレクラなんかもなかった頃でしょうか。
電話で人とのつながりを求める人たちを風刺しているわけですが、現在の現実ではそれがネットやメールに置き換えられています。
ただこの作品では話が性的なことに進まないのはあえて避けたのか、想像力が及ばなかったのか。
作品が発表された数年後には、テレクラや伝言ダイヤルなどが男女の出会いや売春の温床となりましたしね。
現実はまあそんなもんです。
もちろんそういうのがすべてではありませんけども。
なんにせよそのようなツールでコミュニケーションする現代人たちをシニカルに描いています。
ラベル:小説