2012年09月23日

「我が父たち」津島佑子

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表題作他2編。

最初は「壜のなかの子ども」です。

近くの大学病院裏で飼われている畸形の動物に関心を持つ男の話。

その男には大人になっても1メートルほどにしか成長しない病気を抱えている小学生の息子がいます。

息子の病気のこともあって男は畸形の動物に関心を持つのでしょうか。

「火屋」はちょっと幻想的な作品です。

自分の夫が実は犬だったと思い込む女の話。

これを現在と娘が語る話とを交互に入り混じらせることにより、物語をいちだんと幻想的且つ複雑なものにしています。

「我が父たち」。

父親が違う3姉妹とその母親、そして祖母という女家族の話です。

店をやっていましたが祖母が亡くなり、支柱を失った親娘は店終いして逃げるように家を出ていきます。

だんだんと崩れ落ちていく家族を描いた作品です。

タイトルのわりには父親というものが出てきません。

しかし女性たちのそのような境遇を描くことにより、逆に父親への想いというようなものをじんわりと浮かび上がらせているのですね。

障害を抱えた子供や父親違いの娘たちの話など、いかにも津島佑子らしいテーマだなと思えました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする