2012年10月30日

10月の一冊

今月もいつものペースで読むことができました。

ジャンルもいろいろと。

・「〝全身漫画〟家」江川達也
・「悲桜餅 料理人季蔵捕物控」和田はつ子
・「坂本ミキ、14歳。」黒野伸一
・「宴は終わりぬ」西村寿行
・「新版 つげ義春とぼく」つげ義春
・「食というレッスン」岸本葉子
・「アミダサマ」沼田まほかる
・「うつうつひでお日記」吾妻ひでお
・「言葉のレッスン」柳美里
・「寿司屋のかみさん うまいもの暦」佐川芳枝
・「僕はいかにして指揮者になったのか」佐渡裕
・「三等重役」源氏鶏太
・「奇天烈な店」村松友視
・「大恋愛をお約束します!?」広瀬もりの

「〝全身漫画〟家」、漫画家の創作の内面がわかって興味深い本です。

ポリシーに基づいたチャレンジ精神はすごいと思います。

「悲桜餅 料理人季蔵捕物控」、前作で物足りなさを感じましたが相変わらず。

すでにシリーズ14弾まで購入済みですが、どのあたりで納得いくレベルに達してくれるのでしょう。(笑)

「坂本ミキ、14歳。」、爽やかな青春小説であり家族小説。

タイトルはちょっとどうかなと思いますが。

「宴は終わりぬ」、西村寿行唯一のエッセイ集。

貴重な本を購入できました。

「アミダサマ」、イマイチでしたね。

実力よりも話題性が先走っている作家ではないでしょうか。

「うつうつひでお日記」、いいですねぇ、アジマシデオ。(笑)

転んでもただでは起きない底力を感じさせます。

「言葉のレッスン」、鋭利だけど脆いイメージがある柳美里。

エッセイにはそんな彼女の感性がよく現れていると思います。

「僕はいかにして指揮者になったのか」、佐渡裕、私の好きな指揮者です。

そのせいか面白くて一気に読みました。

「三等重役」、かなり古い小説ですが、それを感じさせないユーモアがあります。

のどかでほのぼのとした気分で楽しめました。

「奇天烈な店」、このような店が実在するとは。

そんな店を題材にし、幻想的な雰囲気と落語的な語り口で読ませるのは作者の力量。

「大恋愛をお約束します!?」、たまたま目に付いて気になって購入してみたのですが、まずまずそれなりに楽しめました。

たまにはこういうのもありですね。

さてさて今月の一冊ですが。

やはり夢中になって楽しめたということで「僕はいかにして指揮者になったのか」ですかね。

10月の一冊はこれに決定。

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posted by たろちゃん at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月28日

「大恋愛をお約束します!?」広瀬もりの

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宮内麻衣は結婚相談所の見習い所員。

ある日そこに30代前半の格好いい男性が訪れます。

てっきり入会希望者だと思い対応する麻衣ですが、実はこのビルのオーナーである須藤隼人でした。

早とちりに慌てた麻衣を、「折り入って話がある」と隼人は食事に誘います。

高級なレストランですが隼人は常連らしく慣れたものです。

そこで隼人は麻衣に言います。

「僕に、恋愛の仕方を教えてくれませんか?」

婚約者がいるのだが、彼女と幸せになる方法を教えて欲しいと。

その日から隼人にいろいろとアドバイスをする麻衣。

隼人と婚約者の進展は、そして麻衣との関係はどのようになっていくのか・・・・。

日本版ハーレクインといったところでしょうか。

でも女性の一人称で語られる文体はもっと軽いですけど。

「やだーっ」とか「もーっ」とか。(笑)

でも文章はけっこうしっかりとしており、なかなか楽しく読めました。

最後のほうにちゃっかりとHなシーンもあるのですが、恋愛小説としてはこれは不要ですね。

でもまあこの層への読者サービスということでよしとしますか。

またこの作者の本を見かけたら購入してみます。

posted by たろちゃん at 03:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月26日

「奇天烈な店」村松友視

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とんでもない店があったものです。

営業していても暖簾は内側にかかっています。

一見の客が訪れても「今日は貸切だもんで・・・・」と入店を断ります。

その理由は主人が人見知りだからとのこと。

奇天烈なのはそれだけではなくて、出される料理です。

基本的には寿司屋のようで、やはり魚介類ではあるのですが。

例えば石ガレイの胆汁。

何年もかけてとんでもない手間をかけた一品です。

イカの眼球を支える筋肉なんて想像もつきません。

他にはタイの脳みそ、かれいの椎間板、サバのレバーに真ガレイのレバー、こはだの脳みそ五十匹分などなど。

それらの料理を楽しむのに店を訪れ、話のメインとなるのが源さんと鈴木さんという二人の常連。

まるで落語の熊さん八っつぁんのようなやり取りです。

もちろんそこに店の親方も加わってなんやかんや・・・・。

これは小説なのですが、なんとこの奇天烈な店は実在するのですね。

ネットで検索すれば確かに出てきます。

現実にある店を舞台にしたフィクションです。

出される料理の奇天烈さからしていかにも空想の料理店のように思えるのですが。

そんな現実と虚構が入り混じったような雰囲気が、この物語を幻想的なものにしています。

しかしこの店の料理を味わうことができるならば、まさにそれは僥倖というべきでしょうね。

ラベル:小説 グルメ本
posted by たろちゃん at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月24日

「三等重役」源氏鶏太

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某地方都市では一流企業と認知されている南海産業株式会社。

戦後、社長をはじめ重役がすべてパージ(追放)になったので、総務部長をしていた桑原さんが一躍社長に就任したのです。

そんな桑原さんを主人公に、老獪な浦島太郎課長を補佐として、さまざまな問題を解決していきます・・・・。

ユーモア小説です。

まだのどかな時代でもありますし、それぞれのキャラクターものほほんとして面白い。

昭和26年に週刊誌に連載された作品とのこと。

しかし時代背景はともかくとしまして、まったく古臭さを感じさせません。

細かい文字で600ページほどありますが、軽妙な文体ですいすいと読めました。

1話読みきり形式になっていることも読みやすかったですね。

ミステリー流行の昨今、やたら殺人事件を扱った小説が売れていますが、そんなに人が殺される小説が面白いのかなと思ってしまいます。

特にトリックがどうのこうのなんて、殺人がまるでゲームのよう。

そういうジャンルもそれはそれでありだと思いますが、でもそんなのばっかり読んでいる人って・・・・。

殺人などいっさい出てこないこのようなほのぼのとした小説、こういう作品がもっと読まれればいいのにと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:24| Comment(1) | TrackBack(0) | 『け』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月22日

「僕はいかにして指揮者になったのか」佐渡裕

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佐渡裕。

指揮者です。

もしかしたら現在日本人でいちばん一般に馴染みのある指揮者かも。

もちろん小澤征爾なんていう大御所もいらっしゃいますけども、馴染みという点ではちょっと縁遠い。

佐渡氏の場合はもう10年以上毎年「サントリー1万人の第九」を指揮しておられますし、テレビ番組「題名のない音楽会」の司会も勤めておられます。

そして親しみのある関西弁のしゃべり。

まあこれは私が関西人だからそう思うのかもしれませんけども。

そんな佐渡氏がいかにして指揮者になったのかを書かれたのがこの本です。

ご本人はご自分のことを雑草だとおっしゃいます。

なるほど内容を読んでみますと音楽に関してエリートな出自ではないにもかかわらず、エリートを出し抜いての抜擢があったりするんですよね。

で、小澤征爾やバーンスタインに認められて師事。

今やベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演を振ったほどの指揮者ですが、今日(といってもこれは95年の出版ですが)に至るまでのエピソードが実に面白く書かれています。

一気に読んでしまいましたね。

毎年「佐渡裕ヤングピープルズコンサート」では、子供たちに音楽の楽しさ素晴らしさを伝えようと活動しておられます。

私も楽しみにしていますが、これが実に素晴らしい。

開演前のロビーでは楽器に触れさせてくださいます。

コンサートのラストでは、観客が持参した楽器を手にしてステージに上がらせてもらえるんです。

そしてオーケストラ(シエナ・ウインド・オーケストラ)との共演。

氏を批判する人もいますが、私は若い世代にクラシック音楽の楽しさを伝える第一人者だと思っています。

ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする