2012年10月10日

「新版 つげ義春とぼく」つげ義春

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漫画家、つげ義春のエッセイ集です。

ざっくり分けまして、旅日記、夢日記、回想記、そしてイラストという構成です。

日記は昭和40年代から60年代にかけてのもの。

正直言いましてそれら日記はそれほどピリッときません。

夢日記なんかはやはりシュールで、これはいくら文章で表現しても本人にしかそのニュアンスはわからないだろうなぁと思います。

しかしさすがに漫画家。

イラストも添えておられますので、読者としてはある程度具体的なイメージを掴むことができます。

そして圧巻はやはり巻末のイラストですね。

ほとんどスクリーントーンを使わずに描かれた精緻なペン画が素晴らしい。

ガロ系列の漫画家は一般受けしませんけども、味わい深さという点ではメジャー商業誌漫画家の比ではありません。

マンガというジャンルにおいてどちらが上とか下とかではないんですけども。

久しぶりにつげ作品を読みたくなりました。

ラベル:エッセイ
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2012年10月08日

「宴は終わりぬ」西村寿行

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やっとこさ入手しました「宴は終わりぬ」。

西村寿行最初で最後のエッセイ集。

単行本はもちろん絶版ですし文庫本化もされていませんので、ファンの間では幻の一冊となっています。

Amazonでは1万円以上の値段がついていたりしますが、ブックオフであっさりと200円で購入。(笑)

しかも新刊状態です。

内容は世の中に対しての不満が寿行節で炸裂。

五木寛之氏とのやりとりなども収録されています。

習志野空挺部隊での取材、愛車のベンツやゴールデンイーグル、自宅、チーコ、勤め人時代、少年時代、娘さんの写真まで公開されています。

車のナンバープレートがボカシなしで掲載されているのは時代ですね。

寿行ファンとしましてはぜひとも手元に置いておきたい一冊です。

ラベル:エッセイ
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2012年10月06日

「坂本ミキ、14歳。」黒野伸一

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中学2年生のミキの家庭はサザエさんと同じ7人家族です。

おばあちゃん、無職のおとうさん、おかあさん、大仏顔で短大生のナナコ姐、美人のマミちゃん(高1)、俊才の源五郎(中1)。

それぞれいろんな事情を抱えています。

ナナコ姐は家を出てキャバ嬢になり男と同棲を始めます。

マミちゃんは神経症になり、源五郎は学校でいじめられ、ミキもやがてクラスで孤立することに・・・・。

出だしはちょっと軽いかなと読み始めましたが、やがて楽しく話に入っていくことができました。

家族それぞれ問題を抱えていたりしますが、それもやがていい方向に向かいます。

お決まりのハッピーエンドなわけですが、そのぶん読後感は爽やか。

以前に読んだ「万寿子さんの庭」もそうですが、読み終えてほのぼの晴れやかな気分になります。

ラベル:小説
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2012年10月04日

「悲桜餅 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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シリーズ第2弾です。

日本橋の料理屋「塩梅屋」の季蔵は店の二代目。

先代は料理人でありながら悪者を裁く裏稼業をしていました。

そんな事情を知る北町奉行の烏谷椋十郎からの勧めもあり、店だけではなく裏家業も継ぐかどうか季蔵の心は揺れ動きます。

しかし季蔵の許婚である瑠璃が暗殺されそうになり、季蔵は・・・・。

ここまでを読んだ時点では、仕事人シリーズを目指しておられるのかなと。(笑)

表は料理人、裏は悪を捌く仕事人ということですよね。

それはそれでいいんですけど、しかしなぁ・・・・。

とにかく話が浅いといいますか安直といいますか。

読んでいて「え、そんなレベルでいいの?」と思ってしまう箇所が多々あるんですよね。

簡単に都合よく話を片付けてしまう。

前作に関してもその薄っぺらさを感じたのですが、相変わらずですね。

次作に進歩はありますでしょうか・・・・。

posted by たろちゃん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『わ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月02日

「〝全身漫画〟家」江川達也

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「BE FREE!」、「東京大学物語」、「まじかる☆タルるートくん」などのヒット作で知られる漫画家、江川達也氏。

そんな漫画家が創造の現場について語ったのがこの本です。

ちなみに著者は江川達也となっていますが、語りをまとめて文書にしたのは鈴木隆祐氏。

江川氏が漫画への思い、自作の意図、エピソード、読者の反響などについて語っておられます。

なるほど、すごく考えて漫画を描いておられます。

一般の読者は漫画家がそこまで考えて描いているなんて思ってもいないでしょうね。

たしかにすごいんですけども、やはり空回りしておられるんですね。

こんなこというと江川氏に「おまえもバカな読者か」と叱られそうですが。

(てか、こんなとこ江川氏が見るわけもないですが 笑)

例えば、氏は「ドラえもん」を批判しておられます。

なんでもかんでもドラえもんに頼っていてはのび太に成長がないと。

そしてタイムマシーンやどこでもドアがあれば、どんな犯罪も可能ではないかと。

こんな悪知恵を子供に読ませてなにが良書だと。

いや、ごもっとも。

おっしゃることはよくわかるのですが、でもそれってあげ足取りじゃないかと思ってしまいます。

子供は誰でもそういう憧れを持つものです。

でも現実はまったく違って冷たくシビアです。

だからこそ「あんなこといいな、できたらいいな」と面白く楽しく「ドラえもん」を読む(観る)んじゃないですかね。

実際アイテムの使われ方はたわいもない内容じゃないですか。(詳しくは知らないのですが)

じゃあそのアンチとして描かれた「まじかる☆タルるートくん」はどうだったか。

「ドラえもん」の足元にも及びませんでしたね。

売れればえらい売れなければだめというわけではありませんが、やはり「ドラえもん」は偉大です。

「まじかる☆タルるートくん」はドンキホーテでした。

それはそれとしまして、氏にはぜひ大人の漫画でガツンとかましていただきたいです。

ラベル:漫画本
posted by たろちゃん at 03:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする