2012年10月26日

「奇天烈な店」村松友視

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とんでもない店があったものです。

営業していても暖簾は内側にかかっています。

一見の客が訪れても「今日は貸切だもんで・・・・」と入店を断ります。

その理由は主人が人見知りだからとのこと。

奇天烈なのはそれだけではなくて、出される料理です。

基本的には寿司屋のようで、やはり魚介類ではあるのですが。

例えば石ガレイの胆汁。

何年もかけてとんでもない手間をかけた一品です。

イカの眼球を支える筋肉なんて想像もつきません。

他にはタイの脳みそ、かれいの椎間板、サバのレバーに真ガレイのレバー、こはだの脳みそ五十匹分などなど。

それらの料理を楽しむのに店を訪れ、話のメインとなるのが源さんと鈴木さんという二人の常連。

まるで落語の熊さん八っつぁんのようなやり取りです。

もちろんそこに店の親方も加わってなんやかんや・・・・。

これは小説なのですが、なんとこの奇天烈な店は実在するのですね。

ネットで検索すれば確かに出てきます。

現実にある店を舞台にしたフィクションです。

出される料理の奇天烈さからしていかにも空想の料理店のように思えるのですが。

そんな現実と虚構が入り混じったような雰囲気が、この物語を幻想的なものにしています。

しかしこの店の料理を味わうことができるならば、まさにそれは僥倖というべきでしょうね。

ラベル:小説 グルメ本
posted by たろちゃん at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする