新太郎は深川の駕籠かきです。
飛脚の勘助とどっちの足が速いか揉め事となり、決着をつけることになります。
その話が大きくなり、駕籠のライバルである寅や鳶の源次も加わり、地元の賭場を仕切る親分が乗って勝ち札を売ることになり、盛大なお祭り騒ぎとなります。
そんな中で新太郎は勝つことができるのか・・・・。
上の内容がメインの話ではありますが、この一冊自体は連作短編集という体裁です。
この作者としては他の著書にもよくあるパターンです。
今回は駕籠かきが主人公ですが、やはり深川界隈で暮らす町人たちを描かせると抜群にいいですね。
主人公を始めとした脇役やその他登場人物たちの男気、人情。
実に心地よい。
賭場を仕切る親分さんたちも決して悪人ではなく痛快な度量を見せてくれますし、ケチな家主も意外な顔を持っていたりして。
ちなみに「損料屋喜八郎」シリーズの主人公、喜八郎がちょい役で出てくるのも作者のお遊びであり読者サービスでもありましょう。
こういうのがファンにとっては嬉しいですし、作者の世界がリンクして楽しいんですよね。
現在続編の「お神酒徳利」もすでに刊行されています。
楽しみに読ませていただきましょう。
ラベル:時代小説