2013年01月14日

「脳男」首藤瓜於

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連続爆破事件の犯人の倉庫に乗り込んだ警部の茶屋。

主犯は取り逃がしたものの、共犯と思われる男を逮捕します。

男の名は鈴木一郎。

弁護側から精神鑑定の要求があり、鈴木は巨大病院の保護病棟に監視員付きで入院することになります。

担当するのはアメリカ帰りの精神科医、鷲谷真梨子。

まったく感情を表さず過去の経歴も不明な鈴木は果たして共犯者なのか。

やがてその病院に爆弾が仕掛けられ、次々と爆発していきます。

犯人はどうやって爆弾を仕掛け操作しているのか。

そして鈴木と犯人の関係は、その正体は・・・・。

かなり雑な小説ですねぇ。

読んでいて初っ端から納得できない部分が多すぎます。

なんだか上辺のアイデアで細部の辻褄も合せず、勢いで書いたのではないかと思ってしまいます。

書くにあたって緻密な検討をしなかったのでしょうか。

例えば真梨子の住居を紹介する文章。

帰宅した真梨子が大型冷蔵庫を開けます。

『ステーキ用の肉、フレッシュパスタ、チーズ、ヨーグルト、バター、牛乳、カリフォルニア産高級ワイン、野菜室の抽斗には新鮮な野菜があふれんばかりに収まり』云々。

真梨子の生活レベルを表現しているのでしょうが、一人暮らしで『新鮮な野菜があふれんばかりに収まり』はないでしょう。(笑)

また、警官隊が周りに配備されている倉庫から主犯が逃げ切れますか。

しかも耳をちぎられるという重傷を抱えて。

何ヶ月も。

ちなみに耳をちぎられるという犯人にとってかなり大きなリスクであり特徴についてはこの後いちども触れられていません。

いやはやです。

キャラクターとその関わりも典型的に使い古されたような設定。

刑事の茶屋と医師の真梨子。

こんな関わりはあり得ないでしょ。

しかも茶屋の存在感がラストでは消えてますし。

ベタに恋愛関係にならなかっただけましですか。

細部に見るべきものはあるものの、とにかく安易な設定と思い付きのアイデアだけで突っ走っておられるとしか思えません。

ただ鈴木一郎のキャラはよかった。

これこそがこの作品のメインなわけですが。

どうしても名前から野球選手のイチローをイメージしてしまいました。(笑)

いろいろと作者の主張は込められていますが、誰が主人公なのかも曖昧でどうもピントがぼけて読後感が薄かったです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする