2013年04月30日

4月の一冊

今月の読書は14冊です。

最近の平均的なペースですね。

読みましたのは以下の作品。

・「人情屋横丁」山本一力
・「出版界の仕掛人 編集者の素顔」
・「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男
・「読者は踊る」斎藤美奈子
・「包帯をまいたイブ」冨士本由紀
・「趣味は佃煮 ある大学教授の「無趣味」からの脱出」小町文雄
・「マディソン郡の橋」ロバート・ジェームズ・ウォラー
・「夫婦茶碗」町田康
・「私の体を通り過ぎていった雑誌たち」坪内祐三
・「Women at work!」真砂耀瑚
・「悶々ホルモン」佐藤和歌子
・「AV時代 村西とおるとその時代」本橋信宏
・「苦役列車」西村賢太
・「三匹のおっさん」有川浩

「人情屋横丁」は時代作家の食エッセイ。

やはりこういうジャンルにおいても著者の小説での作風を感じます。

「出版界の仕掛人 編集者の素顔」、縁の下の力持ちともいえる編集者という存在。

この雑誌にはこんな編集者のエピソードがあったのかと知ることができる一冊です。

「ベルカ、吠えないのか?」、犬という動物を主人公(?)にしつつ、スケールでかいですねぇ。

でも癖のある文体は好みがわかれるかも。

「読者は踊る」、いつもながら面白い切り口で楽しませてくださる著者です。

聖書まで批評の対象としておられるのはあっぱれ。

「包帯をまいたイブ」、レズビアンを扱った恋愛小説。

でもその設定でなければ内容的にはどうこういうものではありません。

「趣味は佃煮 ある大学教授の「無趣味」からの脱出」、料理に興味ある人ならばとりあえず楽しめるでしょう。

でも私は著者は好きになれません。

「マディソン郡の橋」、ベストセラーで映画にもなりました。

なのでやっかみの批判も多いでしょうが、私は感動しました。

「夫婦茶碗」、この作者の描く主人公のダメっぷりって「素晴らしくどうよ」てな感じですね。

この後の作品もすでに購入済みですが、さて今後どのような話を読ませていただけるのか楽しみです。

「私の体を通り過ぎていった雑誌たち」、いろんな雑誌が登場しては無くなりました。

そんな雑誌たちを懐かしく思い出せました。

「Women at work!」、女性主人公を建設現場の監督(代行)にした設定が買いです。

ベタではありますが工夫を感じさせる内容でした。

「悶々ホルモン」、ホルモン好きな女性著者による女一人焼肉三昧な記録。

これ、男性が書いてもあまり面白くないでしょうね。

著者が女性ということで得をしています。

「AV時代 村西とおるとその時代」、とにかく村西とおるという監督のキャラでしょう。

それありきな本だと思います。

「苦役列車」、芥川賞受賞作。

たしかに面白いとは思いました。

ですが私は冷めた目で読みました。

「三匹のおっさん」、エンターテイメントとして楽しめました。

続編も読んでみたいですね。

さて、今月の一冊。

これはもう素直に感動した一冊として、「マディソン郡の橋」です。

翻訳ものは好きではないのですが、これは違和感なく楽しめました。

そして号泣。(笑)

今月はこれです。

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posted by たろちゃん at 04:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月28日

「三匹のおっさん」有川浩

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還暦になったくらいでジジイ扱いされてたまるか。

そんな心意気の幼馴染み3人組。

キヨは父から継いだ剣道の道場を生徒離れにより閉鎖。

本業の会社員も定年になり嘱託の身。

柔道歴の長いシゲは居酒屋を経営していますが、いまや息子夫婦に店を譲り手伝いの身分です。

ノリは部品や機械の試作をする工場の経営者です。

なのでいろんな武器や道具を作るのはお手の物。

それぞれ特技を持つ3人は最近物騒になってきた地元を守るため私設自警団を結成し、いろんな事件を解決していきます・・・・。

児童文学によくある「ずっこけ3人組」とかそういう類のジジイ版、いや、おっさん版ですね。

しかしおっさん3人ではあまりにも華がない。(笑)

なのでキヨの孫である祐希とノリの娘の早苗との恋愛なんかもあったりして、エンターテイメントとしてそのあたりもきっちり抑えておられるのはさすが。

表紙やそれぞれの章の扉のイラストもまたいい。

若い読者にもじゅうぶんアピールしておられます。

老若男女問わず楽しめる作品ではないでしょうか。

面白かったです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月26日

「AV時代 村西とおるとその時代」本橋信宏

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「アダルトビデオの帝王」という異名をとり、AV界に君臨した村西とおる監督。

そんな村西と裏本時代から一緒に仕事をしてきた著者。

村西がAVメーカーを立ち上げ、頂点に上り詰め、そして莫大な借金を抱えて崩壊していく様を、身近で見てきた著者だからこそ書けた渾身の一冊です。

村西監督といえばやはりあの独特なトークですよね。

この本を読んでいますと普段からもあのような敬語調を混じえてしゃべっておられるようで?

最初は監督だけだったのがカメラマンもやり、自ら男優となって作品に登場するようになり、例のトークでブレイク。

一時期はお笑い芸人たちも真似ていました。

そしてなんといっても顔面シャワーでしょう。(笑)

これは偶然のアクシデントから生まれたようですが、AVファンに受けたんですね。

いまや定番のジャンルにさえなっています。

どんどんと業績を伸ばし、黒木香を始めとして、卑弥呼や松坂季実子、桜樹ルイ、沙羅樹、田中露央沙、乃木真梨子、野坂なつみ、などなど、錚々たる専属女優を抱えるまでになります。

そしてそのあとに訪れる凋落。

克明な著者の記録と構成はもちろん評価しなければなりませんが、やはり村西とおるというキャラですね。

彼のキャラでこの本は成り立っています。

500ページほどありますが、面白くて一気に読んでしまいました。

posted by たろちゃん at 03:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月24日

「苦役列車」西村賢太

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北町貫多は19歳。

冷凍倉庫で日雇いの仕事をしています。

気が向けば仕事にいって金を稼ぎ、金が無くなればまた日雇いに出かける。

だらだらとした毎日です。

彼女もおらず友達もおらず、そんな貫多にも日雇い先で友達ができるのですが・・・・。

芥川賞を受賞し、私小説が見直された(?)作品です。

併録されている「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」はその続編といえます。

北町貫多というのはもちろん作者の西村賢太をもじっているわけで。

どこまでが本当かどうかはわかりませんが、たしかに今どきこの生活と投げやりぶりはすごい。

そしてこの自己中心的な考えと小心ぶり、それをしっかりと晒し出すあたりは潔い。

面白い作家さんが出てこられたなぁとは思います。

でも「暗渠の宿」の感想にも書いたのですが、やはりどうしても車谷長吉中上健次、といった作家と比較してしまうんですよね。

あるいは柳美里とか。

そうなると、なんといいますか人間の業だとか持って生まれた血だとか、そのようなものが無い。

それらの有無で小説を判断するべきではないでしょうが、どうしても底の浅さを感じてしまいます。

若者の単なる怠惰な話で終ってしまっていると思うのです。

わがままを振りかざしてるだけやん、と。

「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」はまだそのあたりの足掻きがありますけども。

町田康なんかはこういうのを上手く昇華させておられるんですよね。

この持ち味を活かしてなにかこう、強烈な作品を発表していただきたいものです。

期待しています。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 『に』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月22日

「悶々ホルモン」佐藤和歌子

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著者は26歳(執筆当時)の独身女性。

一人焼き肉常連とのこと。

なんてわざわざ書くとなんだかフェミニストから批判されそうですが。

「女性が一人で焼肉食べて、だからなんだっていうの?」なんて。

そりゃそうです。

でも著者自身もそれを冒頭で宣言しておられるのでウリにしていると考えていいでしょう。

実際女性がお一人で焼肉屋に行くなんて、なかなか勇気のいることです。

本書ではほとんど編集者や友人とご一緒に取材ということで食べ歩いておられますけども。

上ロースだの特上カルビだのなんて出てこないですね。

(もしかしたら出てきてるかもしれません ごめんなさい)

とにかくホルモン。

うんうん。

そして著者は酒飲み。

うんうんうん。

ホルモンをアテに出すオヤジがたむろする飲み屋に女一人出かけていかれるのです。

素晴らしい。

目の前にいらっしゃれば握手してハグしたいです。(笑)

当然のことながら肉の焼加減には一家言持っておられます。

肉奉行とのこと。

もし私がご一緒したなら(することはありませんけども)たぶんぶつかるかも。

私も焼肉に関しては自分の好みの焼加減というものにひたすらこだわりますから。

でも最近は肉をあまり食べなくなりました。

著者はこんなに焼肉を食べてお体はだいじょうぶなんでしょうか。

まあ私もこれくらいの頃はひたすら肉でしたけどね。(笑)

読んでいて焼肉が食べたくなりました。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする