2013年04月20日

「Women at work!」真砂耀瑚

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29歳の巽陽南子は建設現場の監督代行。

抜き打ちの視察にやってきた施工主の朝倉建設社長、朝倉大地とちょっとした衝突があり、それをきっかけに二人に面識ができます。

ある日、陽南子は現場の職人から鋼材のサイズが細いのではないかと意見されます。

設計図では問題ないのですが、職人の勘は無視できません。

陽南子は直接大地に掛け合います。

その後現場で陽南子に不可解な事故が立て続けに起こります。

大地さえも巻き込んで。

そんな事故を乗り越え、お互い惹かれ合う二人。

明らかに誰かが意図して起こしている事故。

誰がなんのために?

そして陽南子と大地の恋の行方は・・・・。

主人公が女性で建設現場の監督という設定が面白いですね。

大企業御曹司との恋愛となると、女性は秘書だったり部下のOLだったり取引先のキャリアウーマンだったりというのがベタなパターンですけども。

この作品では作業服を着た男勝りな女性です。

ただ髪がいくら三つ編みにしているとはいえ、腰まであるほど長いという設定はダメですね。

建設現場でそれは無理があります。

当然二人は結ばれるわけですが、普通ならそこでハッピーエンド。

しかしこの作品はその10年後まで書いておられるのがいいですね。

楽しめました。

posted by たろちゃん at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月18日

「私の体を通り過ぎていった雑誌たち」坪内祐三

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著者は評論家でありエッセイストであり編集者であり。

そんな著者が子供の頃から青春時代までを振り返り、どんな雑誌と関わってきたかを綴っておられます。

ジャンルは多岐にわたっていますね。

漫画誌、スポーツ誌、音楽誌、芸能誌、ミニコミ誌、などなど・・・・。

時代もあって、雑誌がいちばん面白い時期に青春を迎えておられたのかもしれません。

当時に比べると現在の雑誌は個性に乏しく感じられるのは単なるノスタルジーでしょうか。

何十年もすれば現在の雑誌を「あの頃は面白かった」なんて振り返るのかもしれませんけども。

昔のいろんな雑誌の様子が伺える資料的な価値もある一冊です。

ラベル:本・書店
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2013年04月16日

「夫婦茶碗」町田康

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仕事がない。

なので金もない。

これはどうにかせねばとようやくペンキ屋のしごとにありつくのですが、長続きしません。

そこでどでかい一発を狙ったのがメルヘン作家。

子供も生まれ、人生の一発逆転はなるのか。

なけなしの金をはたいて購入した夫婦茶碗に人生の茶柱は立つのか・・・・。

デビュー作の「くっすん大黒」に引き続き、自堕落路線絶好調という感じですね。

併録されている「人間の屑」はそれになんといいますか狂気が加わり、凄まじさを増しています。

私はこちらのほうがよかった。

主人公はなんちゃってミュージシャン。

ヤクザから追われ祖母の経営する旅館に居候しており、手を出した女を胎ませてそれからも逃げ、その女の友達と結婚し子供を作り。

とにかくまあ無茶苦茶で、まさしくタイトル通り人間の屑です。(笑)

ラストは現実なのか覚せい剤による幻覚なのか。

まるで筒井康隆のような世界に突入です。(ちなみにこの本の解説は筒井康隆)

わけがわからんと投げ出す読者も多数いると推測しますが、しかしこのわけわからなさといいますかちゃらんぽらんさといいますか、私はここに凄みを感じます。

行き当たりばったりに書いているようで実に上手くコントロールしているなと思うのです。

まさしく奇才ですね。

ラベル:小説
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2013年04月14日

「マディソン郡の橋」ロバート・ジェームズ・ウォラー

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屋根付きの橋を撮るためマディソン郡を訪れた写真家のロバート・キンケイド。

道を尋ねるために立ち寄った農家にいたのはフランチェスカ・ジョンソンという主婦でした。

ロバートは52歳、フランチェスカは45歳。

二人は運命的な出会いを感じます。

写真撮影のためロバートがこの町に滞在した4日間。

二人は今後の人生で二度と巡り合わないような愛で結ばれます。

しかしロバートは独身ですが、フランチェスカは夫も子供もいる身分です。

いくらロバートに運命の愛を感じたからといって、夫や子供を犠牲にするわけにはいきません。

今の生活を投げ出してでもロバートについていきたい。

しかし家族のことを思うとそれはできませんでした。

ロバートもそんな彼女の心中を理解し、町を出ていきます。

その後、滞在中に撮ったフランチェスカの写真と手紙を送ったきり、フランチェスカに気遣ったロバートは二度と彼女に連絡することはありませんでした。

ですがロバートはずっとフランチェスカのことを想い続け、フランチェスカもまたロバートのことを忘れることはなかったのです・・・・。

そのような話をフランチェスカの亡きあと二人の子供たちが(といってももちろん成人しています)語り手にこの話を持ち込み、興味を持った語り手が物語としてまとめたという形式です。

いやぁ、泣けましたねぇ。

涙ポロポロ鼻水ズルズル。(笑)

たった4日間だけの恋をその後何十年も持ち続けた二人。

あまりにも純粋で、切なくて、哀しくて、もうたまりませんでした。

素直に感動しました。

しかし。

このような小説には必ず批判があります。

いわゆる不倫小説なわけで、純愛だのなんだのいってるのは当事者だけでありまして、例えばフランチェスカの旦那からしたら留守中に浮気されていい面の皮なわけですよね。

なにが純愛だと。

真っ当な意見です。

どこに視点を置くか、誰の目線で話を追うか、ということですね。

まあここはひねくれずに男性ならロバート、女性ならフランチェスカに感情移入して読みましょうよ。(笑)

感動必至です。

実にいい小説でした。

ラベル:海外小説
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2013年04月12日

「趣味は佃煮 ある大学教授の「無趣味」からの脱出」小町文雄

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著者は大学教授。

ゴルフはやらない、麻雀もしない。

絵も描かないし楽器も奏でない。

まるで無趣味なんですね。

そんな著者が目覚めたのがなんと佃煮作り。

やってみたら意外と美味しく出来上がり、気をよくして佃煮に限らず干物やらソーセージやらスモークサーモンやら・・・・。

いやあ、気持ちはよくわかります。

私もいろいろやってみたいクチですので。(笑)

漬物、梅干し、味噌、干物、燻製などなど、ぜひ一度やってみたいと思いつつ、いまだに実行できないでいるのですが。

それはまあ時間であったり場所であったり経済的な理由であったりするのですが。

自分でやったといえばせいぜい梅酒とキムチくらいですかね。

ここで紹介されているビーフジャーキーなんて実に簡単。

しかし自分で作って衛生的に大丈夫なのかなぁと思ったりします。

いろいろと勉強になりましたが、ただこの著者の文章は好きになれませんでした。

とにかく嫌味なんですよねぇ。

ジイさんの愚痴というか。

もうちょっと素直に書けないものかと。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 『こ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする