主人公のケイはレズビアンバーに勤めています。
二流クラスですが美人のモデル、冴子と付き合っています。
ですが本気でのめり込んでいるわけではありません。
ケイの勤める店の雇われ店長は麻生。
加賀という不動産会社の女社長がパトロンです。
ある日麻生が病気で倒れてしまいます。
それをきっかけに麻生と加賀の関係が冷えてしまいます。
入院中の麻生に変わって店を切り盛りするケイですが、そんな忙しさもあり冴子とは自然消滅。
そして実は麻生に思いを寄せていたことに気付きます。
麻生も同じ気持ちだったようで、二人は親密になるのですが。
ただどちらもブッチ(男役)であり、肝心のベッドインではセックスが成り立たないのです。
思いはありながら体でコミュニケーションできず、ぎこちない関係を続けるケイと麻生・・・・。
出だしからケイの冷めた恋愛観があり、そんなケイが後半に麻生に対しての熱い思いに翻弄されるというのが大まかなストーリーです。
レズビアンの世界を扱っているのですが、ケイは女性ですが「僕」という1人称で書かれています。
なので私としてはどうしても主人公は男のイメージなんですよね。
それが同じような立場の麻生と関係するというのですから、小説中の二人だけでなく私の感覚の中でもこのベッドシーンは成り立ちません。(笑)
いつどうなるかわからない病気を抱えた麻生。
そんな麻生に惹かれ、しかし思うように体も心もコミュニケーションができず思い悩むケイ。
お互い傷付き合いながら、まさに触れれば壊れそうな関係です。
愛し合う二人はその不具合をどう乗り越えていくのでしょう・・・・。
最後の1行。
これ、さりげないけど実にいい描写だと思います。