2013年05月12日

「腦病院へまゐります。」若合春侑

Cimg2155

時代は昭和初期です。

カフェーで女給をしている人妻と帝大生が出会います。

帝大生は谷崎潤一郎を敬愛しており、男女の仲になった人妻をサディスティックに辱めるのです。

人妻は乳首を煙草の火で焼かれ、うんこまみれにされ・・・・。

身も心もボロボロになるような扱いを受け、しかしそれでも人妻は帝大生と離れることができません・・・・。

どうしようもない男にひたすら尽くす女というのはよくあるパターンです。

現実にしてもフィクションにしても、ひとつのジャンルといってもいいでしょうね。

この作品ではそれを昭和初期に時代を置き、谷崎を絡め、旧字旧仮名を用いて独特の世界を創ることに成功しています。

今回この作品を読んでみてわかったのは、やはり字面で感情移入が左右されるのだなということ。

正直、内容は把握できるものの、旧字旧仮名使いのせいでいまいち感情移入できなかったのです。

まあこれは私の修行不足。

この文字使いあっての作品ですからね。

併録されている「カタカナ三十九字の遺書」もよかったです。

ひたすら主人に尽くした女中の話。

口をきけず理不尽な扱いを受け、贖罪する姿が切なすぎます。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 『わ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする