2013年05月14日

「料理人」ハリー・クレッシング

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コブという田舎町にやってきたコンラッドという料理人。

この町はヒル家とヴェイル家が土地を二分しています。

以前は仲が悪かった両家も現在は互いの家に食事にでかけるような良好な関係です。

コンラッドはヒル家の料理人としてこの家に住み込むことになり、毎日素晴らしい料理を作り続けます。

ヒル家はもちろんのことヴェイル家にも料理を振舞うのですが、だんだんと両家の家族に変化が訪れます。

太っていた人たちは痩せ始め、痩せていた人たちは太り始めるのです。

そしてコンラッドは料理だけでなくヒル家のいろいろなことに采配を振るい始め、町の人たちにも影響を与え始めます。

コンラッドがただヒル家に仕えるだけの料理人ではなく、野望を持っているのは明らかです。

料理によって体だけではなく精神をもコントロールしているかのようです。

ヒル家の息子ハロルドとヴェイル家の娘ダフネが結婚することになるのですが、コンラッドはその一切を仕切ります。

そして同時にコンラッドは唐突にヒル家の娘であるエスターと結婚することを宣言します・・・・。

なんともブラックでシニカルでシュールな内容ですね。

物語の終わりのほうになりますとその展開は不気味とさえ言えます。

もはやコンラッドさえも何かに取り憑かれてコントロールされているかのような。

これが彼の望んだ世界だったのでしょうか。

posted by たろちゃん at 04:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 『は』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする