2013年06月29日

6月の一冊

今月は13冊読むことができました。 
      
・「風に舞いあがるビニールシート」森絵都
・「鴨川ホルモー」万城目学
・「去年ルノアールで 完全版」せきしろ
・「世界のひびわれと魂の空白を」柳美里
・「ケンタロウの「おいしい毎日」」ケンタロウ
・「サービスの裏方たち」野地秩嘉
・「スミヤキストQの冒険」倉橋由美子
・「涼宮ハルヒの溜息」谷川流
・「あおば鰹 料理人季蔵捕物控」和田はつ子
・「江戸前「握り」 東京・世田谷「あら輝」のつけ場」荒木水都弘 浅妻千映子
・「津軽百年食堂」森沢明夫
・「ブラック・ティー」山本文緒
・「汁かけめし快食學」遠藤哲夫

「風に舞いあがるビニールシート」、いろんな職業の人たちが描かれていて幅の広さを感じさせます。

資料調べや取材を上手く消化されているなと思いました。

「鴨川ホルモー」、実在の大学の所在地を生かした設定が面白い。

もしかしてそこから話を膨らませたのでしょうか。

「去年ルノアールで 完全版」、ユーモアエッセイといいますか。

でもそんなに面白くないですけどね。

「世界のひびわれと魂の空白を」、相変わらずビシビシな柳氏です。

これは文庫化されていないんですけど、なにか理由があるんですかね。

「ケンタロウの「おいしい毎日」」、けっこう文才あるかも。

イラストもご本人です。

「サービスの裏方たち」、タイトル通り縁の下の力持ち的な職業の人たちを取材しておられます。

いいですね、自分の仕事に誇りを持ち一生懸命な人たちって。

「スミヤキストQの冒険」、シュールでシニカルな力作です。

テーマにはやはり時代を感じますけど。

「涼宮ハルヒの溜息」、さすがに第一弾に比べるとテンション落ちてます。

今後どのように展開していくのか楽しみ。

「あおば鰹 料理人季蔵捕物控」、どうもイマイチというかダメなんですよねぇ。

料理ものとしても捕物ものとしても。

「江戸前「握り」 東京・世田谷「あら輝」のつけ場」、ご主人が客として訪れた著者に自身のことや店のことを語るという形式です。

ご主人の鮨に対しての思いが伝わります。

「津軽百年食堂」、恋愛、将来、親子関係、家族の系譜、いろんな要素が盛り込まれています。

しみじみと温かい物語。

「ブラック・ティー」、さりげなくピリッとした短編集。

作者の冷めた視線と優しい視線が同居していますね。

「汁かけめし快食學」、汁かけめしなんていうあまりにも庶民的な食べ物について真正面から取り組んだ一冊。

ちょっと作者の主張が強すぎてまとまりがない気もしましたが。

さて、今月の一冊ですが。

う~ん、文句なしにこれだなというのはなかったですね。

そういう一冊があるときのほうが少ないんですけども。

そんな中から選ぶとすれば「風に舞いあがるビニールシート」でしょうか。

今月はこれで。

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posted by たろちゃん at 03:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月27日

「汁かけめし快食學」遠藤哲夫

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汁かけめし。

まず思いつくのはごはんに味噌汁をぶっかけたやつですよね。

これを「ネコまんま」というのかどうかという検証がありまして、私にとってはネコまんまとはごはんに鰹節と醤油をぶっかけたものなのですが、どうやら味噌汁派のほうが多いようで。

それ以外にもさまざまなバリエーションがあります。

各種の丼ものも汁かけめしといえるでしょう。

そしてカレーライスも。

このカレーライスについては著者もかなりページを割いて検証しておられます。

たしかに面白い本ではあるのですが、とにかく著者の文章に落ち着きがありません。

支離滅裂とまではいきませんけども。

いろんな文献から検証しておられるのはご立派ですが、汁かけめし擁護にかなりヒステリックなのも苦笑してしまいます。

なにをそこまでムキになるのかと。

汁かけめしが下品扱いされているというくどいほどの主張、そして懐石(会石)料理などに対しての過激な敵対心。

ここまでくると被害妄想です。

読んでいて「もうちょっと肩の力を抜いてゆるくいきましょうよ」と思ってしまいます。

そもそも汁かけめしなんてそういうものでしょ、と。

やたら権威に噛み付く癖がおありのようで。(笑)

食についてこのようなジャンルの本は貴重だと思いますが、ちょっと著者の主張にはついていけませんでした。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月25日

「ブラック・ティー」山本文緒

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10編の物語が収められています。

どれもちょっとした『罪』について書かれています。

表題作は電車内に忘れられたバッグの置き引きで生計を立てている女性が主人公。

後ろに立っていた女性がブラック・ティーという高価なバラの花束を網棚に置いて電車を降ります。

どうやら忘れ物ではなくわざと置いていったようなのです。

そのまま山手線を2周して、どうしてだろうと思いながら花束を手に駅の階段を降りていると後ろから声をかけられます。

持ち主だった女性にそのバラをプレゼントした男性でした。

主人公の取った言動は・・・・。

第二話の「百年の恋」などはこの作品のテーマがはっきりわかるようなお話ですね。

立ちションをしたりAVビデオを所持していたりする彼氏を責める同棲している彼女。

やたら彼氏のルール違反をヤリ玉に挙げ、部屋を出て行けとまで言うのですが・・・・。

第三話の「寿」など自分を棚上げした女性の嫉妬や本音がストレートに描かれていて、ベタですが面白かった。

それぞれ短い話で淡々としていますので大きなインパクトはありませんが、誰しも心当たりのあるような所をチクリと刺してくるような短編集です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月23日

「津軽百年食堂」森沢明夫

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明治時代の津軽から物語は始まります。

屋台から出発して食堂を開店することになった賢治。

津軽蕎麦の店です。

それから時代は流れ、話のメインとなるのは賢治から数えて4代目にあたる陽一です。

津軽を離れ、東京でピエロの格好をしてバルーンアートのアルバイトで生計を立てている陽一は28歳。

父に頭を下げてもらって就職した中華料理屋を喧嘩して辞め、それ以来父に対して気まずい思いを持っています。

そんな陽一に同郷の七海というフォトグラファー志望の彼女ができます。

父の交通事故による怪我で帰省した陽一は食堂を継ぐことを考えるのですが、そうなると東京でフォトグラファーになることを夢見ている七海とは一緒にいられません。

老いた父、食堂の跡継ぎ、七海との将来。

いまだにフリーターのような自分。

陽一は悩みながらどのような道を選ぶのか・・・・。

とても素朴で純粋で、心温まる物語です。

章ごとに複数の登場人物の一人称で書かれているのですが、時の流れの縦軸はいいとしても現在の横軸はちょっと散漫になったかなという印象。

でもそれはそれで主人公1人の一人称では書けない心理も書けたりするわけですが。

ただ最後はやはり陽一の一人称で締めてほしかったなぁ。

曽祖母、母の目線が続いてそれで終わり。

メインの陽一の印象が薄くなってしまいました。

しかし読み終わって「ああ、いい小説だったな」という満足感はありました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月21日

「江戸前「握り」 東京・世田谷「あら輝」のつけ場」荒木水都弘 浅妻千映子

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東京は上野毛の寿司屋「あら輝」を紹介した一冊。

筆者(読者)がカウンターに座り寿司と酒を楽しみながら、ご主人の荒木水都弘氏からいろんなお話を伺うという趣向です。

荒木氏といえばあの銀座「きよ田」新津武昭氏のお弟子さんとしても有名です。

なので新津氏のことについても多く語られています。

しかしなんでこんな語り口調の文章にしたんですかね。

本を読みながら店に居るような趣向ということなんでしょうけども。

まあ淡々と第三者的な視点と文章で書くと硬派ではありますが味気なくなり、このようなほんわかした雰囲気は出ませんけどね。

寿司屋って普通の人には敷居が高く感じられますが(このレベルの店などまさしく)、この文章だとなんとなく親しみが感じられて「一度いってみようかな」なんて気にもなりましょう。
(私は絶対にいけませんけどね 笑)

そのように納得し、なんだかなぁと思いつつも読了しました。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする