2013年06月15日

「スミヤキストQの冒険」倉橋由美子

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スミヤキスト党員であるQがある孤島に乗り込みます。

孤島にある感化院に革命を起こそうというのが目的です。

そこにはいろんな人物がいました。

肥大した肉体を持った院長を始めとして、ドクトル、主事、神学者、文学者、などなど。

それらの個性的な人物を相手にしながら、Qのスミヤキズムによる理想の革命は成り立つのでしょうか・・・・。

これはどう考えてもマルクス主義に影響を受けて運動していた人たちに対しての強烈な皮肉でありましょう。

と思うのですが、作者はそれを巻末の「著者から読者へ」で否定しておられます。

そのように思われるのは迷惑な話だと。

そう言われてもねぇ・・・・。

私はそのような意図がありつつ(なければこんな作品は絶対に書けないはず)それを作者自身でわざわざ否定していることまでも含めて、この作品として読むべきではないかと思います。

わざと否定して混乱させているなどというのは勘ぐり過ぎでしょうか。(笑)

マルクス主義をモデルにした云々は抜きにしましても、革命という非現実的な理想論を掲げ、自身の主張など無く洗脳されたかのような主義を理想として懸命に行動する主人公Qの滑稽さ。

これはやはり特定の人たちを指定しているわけではないとしても痛烈な皮肉でありましょう。

そして作者の文学論もちらほらと挿入されています。

シュールな世界の話ではありますが、読み応えある小説でした。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする