2013年07月15日

「ダブルオー・バック」稲見一良

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ウィンチェスターM12。

通称シャクリなどとも呼ばれるショットガンです。

そんなひとつの銃が次々と人手に渡り、それを手にした4人の男たちの生き様が描かれています。

病を抱え仕事も射撃選手としても落ちぶれていく男、山で暮らし息子に男の生き方を教える父親、借金を抱え追い込みかけられながらも人助けするバーのマスター、国の特殊機関に追われる外国人に拘束される猟師。

正直言いまして私はハードボイルドは好きではありません。

特に探偵だのBARだのという設定は。(酒飲みなのでBAR自体は好きですけども)

と言いつつも昔はチャンドラーなんかも読んだんですけどね。(笑)

やはり男としてそういうのがカッコイイと思った時期もあったのですが、なんといいますか、ストイシズムよりもナルシズムが鼻につきまして。

むしろ刑事コロンボなんかのほうがカッコエエやんと思ったりして。

まあそのあたりは人それぞれの好みでありましょう。

この作者の作品は私の苦手とする“BARで煙草を燻らせるトレンチコートの探偵(典型的な例ですが)”といったような人物ではなく、背中で人生を語る父親みたいな男が出てくるのがいい。

それは例えばこの作品集の第二話「斧」に登場する父親であったり。

妻とも世間とも離れ、山でひとり自給自足する男。

訪ねてきた息子に自然の中で暮らす知恵を授け、命を懸けて熊と闘う。

そんな父親の姿を息子は目の当たりにする。

こういうハードボイルドなら歓迎です。

この作品集は銃をモチーフにしてはいますが、もちろんテーマは男の生き様でしょう。

味わい深い一冊でした。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 『い』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする