2013年08月30日

8月の一冊

今月読んだのは以下の14冊です。

いつものペースですね。

・「世界奇食大全」杉岡幸徳 
・「編集者T君の謎 将棋業界のゆかいな人びと」大崎善生
・「ひとさらいの夏」冨士本由紀
・「文学賞メッタ斬り! たいへんよくできました編」大森望 豊崎由美
・「パンの耳の丸かじり」東海林さだお
・「利休にたずねよ」山本兼一
・「オイドル絵っせい 人生、90歳からおもしろい!」やなせたかし
・「脚美人」宇佐美游
・「大人の食育」服部幸應
・「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」高山なおみ
・「オカマだけどOLやってます。完全版」能町みね子
・「悪魔が来りて笛を吹く」横溝正史
・「寿司屋のかみさんが教える おいしいもの、まずいもの、どうでもいいもの」佐川芳枝
・「ふがいない僕は空を見た」窪美澄

「世界奇食大全」、世の中いろんな食べ物がありますね。

珍しい食に興味をお持ちの方はぜひどうぞ。

「編集者T君の謎 将棋業界のゆかいな人びと」、あまり将棋業界の内幕を書いた本というのはないと思いますので、ちょっと貴重かも。

ただタイトルがなぁ。

「ひとさらいの夏」、ちょっと怖いようなシビアな短編集です。

他の作品もぜひ読んでみたい。

「文学賞メッタ斬り! たいへんよくできました編」、二人の漫才のような掛け合いが面白い。

しかしそれが仕事とはいえ、お二人ともよく読んでいらっしゃいますねぇ。

「パンの耳の丸かじり」、これが何作目になるのか知りませんが、相変わらずの面白さ。

このレベルを保ち続けているのがすごい。

「利休にたずねよ」、天下一の茶人の半生を描いた力作。

さすがの直木賞受賞作です。

「オイドル絵っせい 人生、90歳からおもしろい!」、アンパンマンの作者によるエッセイ集。

お人柄が伝わる一冊です。

「脚美人」、面白そうだと読んでみたのですがちょっと期待はずれ。

悪くはないんですけどね。

「大人の食育」、最近は食が乱れています。

これを読むと作るほうも食べるほうもしっかりと食について見直さなければならないと思えます。

「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」、一応は食エッセイになるんですかね。

ファンにはいいかもしれません。

「オカマだけどOLやってます。完全版」、現在は戸籍上も女性になっておられるようで。

しかしOL時代の同僚はびっくりでしょうね。(笑)

「悪魔が来りて笛を吹く」、特にどうこうという感想はありません。

まあ横溝の世界ですね。

「寿司屋のかみさんが教える おいしいもの、まずいもの、どうでもいいもの」、寿司屋のおかみさんのエッセイ。

おいしいものだけにしてください。(笑)

「ふがいない僕は空を見た」、いろんな人物からの視点で書かれているのがいい。

それぞれに人生あり。

さて、今月の一冊。

「ひとさらいの夏」、「利休にたずねよ」、「ふがいない僕は空を見た」が心に残りました。

その中からはやはり「利休にたずねよ」でしょうか。

満足な読み応えがありました。

今月はこれに決定。

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posted by たろちゃん at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月28日

「ふがいない僕は空を見た」窪美澄

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連作短編集です。

5編収録されているのですが、いちばん最初の「ミクマリ」がR-18文学賞受賞のデビュー作です。

斎藤くんは高校1年生。

12歳年上の主婦、あんずと彼女のマンションで週1~2回セックスする関係を続けています。

しかもアニメキャラのコスプレで。

同じ高校の松永という女の子に告白され、斎藤くんはあんずと別れることにするのですが・・・・。

次の「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」では、あんずの視点から描かれています。

あんずはマザコンの夫と暮らしているのですが、子供ができません。

姑からは執拗に子供を作れとせがまれ、不妊治療を受けながら息苦しい思いをしています。

ある日夫と姑からパソコンで動画を見せられます。

あんずの様子がおかしいことに気付いた夫が部屋に隠しカメラを取り付け、斎藤くんとのセックスを隠し撮りしていたのです。

あんずは離婚を申し出ますが、夫は頑なに別れないといいます。

そしてひたすら不妊治療を続けることになります・・・・。

次の「2035年のオーガズム」では松永の視点になり・・・・というふうに話が続いていきます。

登場する人物たちは皆大きな穴を抱えているようです。

大事なものがぽっかりと抜け落ちているような喪失感、そして悩み。

しかしそんな中で傷付きながらもせいいっぱい生きているヒリつくような躍動感もあります。

作者はデビュー作を含むこの作品集で山本周五郎賞を受賞。

確かに繊細な感性と実力を感じました。

いい一冊だったと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月26日

「寿司屋のかみさんが教える おいしいもの、まずいもの、どうでもいいもの」佐川芳枝

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東京は東中野にある「名登利寿司」という寿司屋のおかみさんが書いた本です。

これで何冊目になるのかわかりませんが、店の裏話やいろんなお客さんとのエピソードが書かれ、いつも楽しく読んでいます。

ただ苦言を申し上げれば、例えばこのタイトル。

「おいしいもの」はいいとしても、「まずいもの、どうでもいいもの」というのは飲食店を経営される立場としていかがなものでしょうか。

というのはこの著者、他の著作でもそうなのですが、手に入れた魚がまずかったので処分したというような記述がちょくちょくあるんですよね。

この本でもやはりマナガツオの味噌漬けに失敗してまずかったので処分したという話があります。

そりゃ失敗した料理に箸は伸びないかもしれませんが。

しかしそこを「こういう風に工夫してなんとか食べられるようにした」というのがプロではないでしょうか。

素人の書くブログならともかく。

そのあたり飲食業としても文筆業としてもどうもなぁと思ってしまうのです。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月24日

「悪魔が来りて笛を吹く」横溝正史

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東京衛生局の人間だと偽り銀座の宝石店の店員たちに毒を飲ませて殺害し、宝石を奪っていった天銀堂事件。

その容疑者とされる椿元子爵が失踪、林の中で死体が見つかります。

娘に宛てた遺書が見つかり、「これ以上の屈辱、不名誉にたえられない」と書かれていました。

その半年後、椿家で次々と殺人事件が起こるのですが、どうやら椿元子爵の影がちらついているのです。

死んだはずの椿元子爵がなぜ・・・・。

連続殺人事件の犯人は誰なのか・・・・。

椿元子爵の遺書の意味は・・・・。

今まで何冊か読んだ作品はすべて地方での事件でしたが、今回の舞台は麻布六本木です。

なので地方に残る言い伝えのようなものはありませんが、斜陽貴族やタイトルにもなっている「悪魔が来りて笛を吹く」というフルートによる音楽が物語の雰囲気を作っています。

事件を解決するのはご存知、金田一耕助。

いつもながらタイトルほど内容はおどろおどろしくないのですが、細かい文字が詰まった450ページを退屈することなく読めました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 『よ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月22日

「オカマだけどOLやってます。完全版」能町みね子

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内容はタイトルのまんまです。

「チン子」が付いていながらOLをやっておられたんですよね。

もともとは男性。

いわゆる性同一性障害なわけですが、ご本人はそのように呼ばれるのは嫌なようで。

いちばんぴったりくるのがオカマだそうです。(笑)

この本が面白いのはオカマと認められて生活しておられたのではなく、ごく普通に女性と偽ってOL生活をしておられたこと。

そのあたりの苦悩やらジレンマが実に面白おかしく描かれていると思います。

ちなみに現在は「チン子」も取って戸籍も変更し、完全に女性として生活しておられるようです。

この本を読むまでまったく著者のことを存じなかったのですが、どんな人だろうとネットで検索してみました。

お顔を拝見できたらと。

そしたらなんと、オールナイトニッポンでレギュラーを持っておられるほどの人だったんですね。

笑っていいとものテレフォンショッキングにも出演されていたり。

その動画を拝見したのですが、う~ん、すでに知っているからか、やはり元男だろうと・・・・。

顔つきとか声とかやはり・・・・と思ってしまいました。

でも実際に「チン子」付いたままOLをやってこられたわけで、事情を知らなければ疑いなく女性だと思ってしまうんでしょうね。

ブログをきっかけに人気が出てメジャーになられたようです。

文章もいいしイラストもいい。

これからのご活躍を期待いたします。

ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 03:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 『の』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする