2013年08月10日

「パンの耳の丸かじり」東海林さだお

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「パンの耳はお好き?」が表題作といえましょうか。

いきなり出だしから笑わせてくれます。

あなたはパンの耳についてどのような見解をお持ちだろうか。
1不愉快である
2支持する
3やむをえない

別に不愉快も支持も・・・・。(笑)

東海林氏は3が一番多いのではないかと推測します。

いろいろと考察がありまして、話は築地の「愛養」という喫茶店(なんだかすごい名前ですね)に飛びます。

魚市場に出入りする男たちの店だそうですが、ここのトーストは実に多彩なのだとか。

種類ではなく耳の落とし方が。

「耳ありにジャムね」、「耳二つ落としバターね」、「耳三つ落としダブルバターね」「耳ひとつ落としジャムね」、「耳なしバターね」・・・・。

つまり4辺ある耳をいくつ落とすのかという話です。

東海林氏は「三つ落とし」に断ち切れない耳への愛憎を感じ、胸を打たれます。

てなわけで、いつもながら誰もが見過ごすようなことをひたすら深く考察されるのでした。

ラベル:グルメ本
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2013年08月08日

「文学賞メッタ斬り! たいへんよくできました編」大森望 豊崎由美

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シリーズ4作目となりました。

今回のトークショーはお二人の作家がゲストです。

芥川賞から長嶋有、直木賞から石田衣良

石田氏は例の中原昌也、阿部和重事件についても触れておられます。

というか、司会の大森、豊崎両氏に話題を振られたわけですが。(笑)

あとはいつものように芥川賞、直木賞の予想ですね。

そして受賞式や二次会の潜入レポートがあります。

最後は第三回「文学賞メッタ斬り!」大賞の発表です。

といってもたいして価値ある賞ではありませんが・・・・。

ラベル:書評・作家
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2013年08月06日

「ひとさらいの夏」冨士本由紀

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短編集です。

表題作の主人公、41歳の江美子は映画評論家。

といっても最近は仕事も激減しています。

そんな江美子が愛人の勤める企画会社が倒産したため、外部のスタッフとして参加していたしがらみで2千万円の負債を背負うことになりました。

愛人は自分の保身はしっかりと固めている狡さを見せます。

そして年老いた親からは面倒を見て欲しいと要求されるし、首を吊りたいような状況です。

しかし自己破産などせずに意地でも負債を返そうと懸命に仕事する江美子。

そんなある雨の日、15歳の少年が江美子の家の庭に逃げ込んできます。

江美子はその少年を匿い、やがて関係を持つようになるのですが・・・・。

41歳の女性が15歳の少年と心を通じ合わせ関係を持つというのが私にはちょっと理解できないのですが、男女逆に考えるとわからないでもないような。

でもやっぱり体はともかく心はなぁ、と思ってしまいます。

ただお互いなにかから逃れたいような切羽詰った状況の者同士、年齢を超えて通じるものがあるのかもしれません。

はっとするようなラストが用意されています。

一番最初に収録されている「氷砂糖」もよかったですね。

これもラストに思わず「えっ」と声を出してしまいました。

「僻む女」はけっこうストレートに女性の心理が出ているのではないかと思います。

それをちょっとサスペンスな感じに仕上げており、女の駆け引きの怖さみたいなのを味わえました。

他もどれも明るい話ではありません。

それだけにハッピーエンドな話よりも読み終えて余韻がありました。

いい作品集だと思います。

ラベル:小説
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2013年08月04日

「編集者T君の謎 将棋業界のゆかいな人びと」大崎善生

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著者は現在作家ですが、元「将棋世界」の編集長です。

なので長年将棋界を内側から見てこられました。

今は亡き大山康晴十五世名人のエピソード。

将棋連盟の職員旅行で函館に行くことになり、幹事の著者は昼食にイカソーメンを出すことにします。

しかし会長の大山が著者を呼び出してダメ出し。

1500円の食事代が高いというのです。

それで「イカはやめなさい」、「いや、先生イカだけは」の押し問答。

十五世名人ともあろう人が・・・・。(笑)

加藤一二三九段のエピソードも笑えましたね。

彼は食事休憩などの相手が居ないときに、相手側の局面に立って考える癖があるそうです。

なるほど相手側から見るとまた見えてくるものもあるのでしょう。

いつものように相手側に立つ加藤を見た先崎学八段、どんな局面なんだろうと近づいていくとまったくの先後同型だったとか。

つまりどちらから見ても同じなわけで、そんな盤面を相手側からじーっと睨みつける加藤を見てひっくり返りそうになったとか。(笑)

加藤が名人位を奪取したときのエピソードも面白い。

中原名人に追い詰められ秒読みに追われ絶体絶命と誰もが思ったとき、加藤はいきなり中腰に立ち上がり「ひょーッ」という奇声を発したというのです。

対局中に中腰になって「ひょーッ」て。(笑)

なんと中原の玉に即詰めを発見したのです。

秒読みの中での一瞬の閃き。

これで加藤は待望の名人位に着きました。

棋士というのはある意味天才集団ですから、やはりそれなりに個性をお持ちの方が多いようで。

将棋に興味をお持ちの方はぜひご一読を。

ラベル:エッセイ
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2013年08月02日

「世界奇食大全」杉岡幸徳

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タイトルどおりまさに世界の奇食を紹介した本です。

それは素材であったり調理法であったり。

まず素材なら、わりと知られているところでは石川県能登地方のフグの卵巣の糠漬けとか。

長野県伊那地方のザザムシやハチの子なんてのも聞きますね。

外国に目を向けますとメキシコならサボテン。

中国ではサソリとか。

土を食べる習慣も世界各地にあるとか。

組み合わせの奇食では愛媛県のみかんご飯。

ポンジュースで炊いたご飯で、学校の給食にも出たりするんだとか。

名古屋の「マウンテン」という店は有名です。

この本では甘口いちごスパなんてのが紹介されています。

その他、奇食というか珍食というか中国料理ではラクダのこぶなんて紹介されていますし、鳥の肛門から体液を吸うキビヤックなんていう北極圏に住むイヌイットの料理(?)もあります。

しかし人間ていろんな物を食べてるんですねぇ・・・・。

ちなみにこの本に紹介されている食べ物はすべて著者が実際に食べておられます。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 『す』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする